2025.6.3

アート・バーゼル・パリ2025、203軒のギャラリーが集結へ。チュイルリー庭園でのパブリック・アート展示も

今年10月に4回目の開催を迎える「アート・バーゼル・パリ」が、開催概要を発表。計203軒のギャラリーが参加し、チュイルリー庭園でのパブリック・アート展示も復活する。

アート・バーゼル・パリ2024の様子 Courtesy of Art Basel
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 アート・バーゼルが、今年10月に開催される第4回目の「アート・バーゼル・パリ」の詳細および参加ギャラリーを発表した。

 今年のフェアは、昨年に続きパリの象徴的なグラン・パレにて開催される。出展ギャラリー数は40の国と地域から203軒にのぼり、うち25軒が初参加となる。

 同フェアのディレクターであるクレマン・ドゥレピーヌは、「今回の参加ギャラリーのリストを発表できることを大変誇りに思います。2025年の展示内容は、アート・バーゼル・パリが国際的な文化の舞台において確かな地位を築いていることの証しです」と述べている。

アート・バーゼル・パリ2024の様子 Courtesy of Art Basel

 今回の出展ギャラリーの3分の1以上はパリに拠点を置いており、現地の活発なアート・エコシステムを体現している。Mennour、Crèvecœurといった老舗から新進ギャラリーまで幅広く参加。また、展示される作品の多くは、パリに住むあるいは過去に同地で活動したアーティストによるもので、シモーヌ・ファタル、シーラ・ヒックス、ベルトラン・ラヴィエ、ソニア・ドローネー、ナタナエル・エルブランなど、世代を超えた表現者が名を連ねる。

 出展ギャラリーは3つの主要セクターに分かれる。「Galeries」では177軒のギャラリーが、近代から戦後、現代美術まで幅広い作品を紹介。初参加は9軒で、Crèvecœur(パリ)、47 Canal(ニューヨーク)、David Nolan Gallery(ニューヨーク)などが含まれる。日本からは、タカ・イシイギャラリーMISAKO & ROSENTake Ninagawaの3軒が引き続き出展する。

 新進気鋭のアーティストに焦点を当てた「Emergence」セクターでは、グラン・パレ中央ホールを囲む壮麗なバルコニーを舞台に、16の個展ブースが展開される。うち8軒はパリ展に初参加するギャラリーとなる。

 昨年導入された「Premise」セクターは、1900年以前に制作された作品も対象とするユニークなキュレーションが特徴。伝統的な美術史の枠組みを問い直す試みとして注目されており、今年は10軒が参加し、そのうち8軒が初出展となる。

パブリック・プログラム Courtesy of Art Basel

 アート・バーゼル・パリの特徴のひとつである「パブリック・プログラム」は、ルーヴル美術館やプチ・パレといった文化機関との連携により、市内各所で実施される。今年は、チュイルリー庭園での大規模なパブリック・アート展示が再び登場し、インディペンデント・キュレーターであるムナ・メクアールが初めてキュレーションを担当する。また、対話型イベント「Conversations」も、例年通りプチ・パレで開催される予定だ。

 さらに、「Oh La La!」と題された特別企画も継続され、出展ギャラリーが普段展示しないような珍しい作品を披露する機会となる。今回は10月24日・25日の2日間にわたりグラン・パレで行われる。今回は新たな統一テーマも設けられる予定で、詳細は今後発表される。

Oh La La! Courtesy of Art Basel