2025.5.13

菊池寛実記念 智美術館で「第11回 菊池ビエンナーレ 陶芸の現在」が開催。作品募集が6月1日にスタート

菊池寛実記念 智美術館で陶芸の公募展「第11回 菊池ビエンナーレ 陶芸の現在」が開催。厳選された入選作品で「陶芸の現在」を映し出す。

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 東京・虎ノ門の菊池寛実記念 智美術館で「第11回 菊池ビエンナーレ 陶芸の現在」(12月13日〜2026年3月22日)が開催。その作品募集が6月1日よりスタートする。

 「菊池ビエンナーレ」とは、現代の陶芸作品の紹介を主軸に活動する同館が2004年度から隔年開催している陶芸の公募展。陶芸の振興を目的に、制作内容や応募資格に制限を設けず広く作品を募集し、陶芸表現の現在とその可能性を探るものとなっている。

第10回菊池ビエンナーレ(2023)展示風景

 審査は2回。画像データによる第1次審査、作品の実見による第2次審査が行われ、受賞作を含む入選作品約50点を選出する。入選作品は、同館で展覧会として約3ヵ月間一般公開される(12月13日~2026年3月22日)。現代の陶芸作品を鑑賞するためにデザインされた智美術館の展示室に自身の作品を長期で展示できる機会だ。なお、大賞(1点)に選ばれた作家には賞金200万円が贈呈される。

若林和恵 色絵銀彩陶筥「さやけし」 第10回大賞(2023) h17.0×w32.5×d32.5
猪倉髙志 線を解き放つ 第9回大賞(2021) h41.8×w24.2×d24.2

 本公募展の特徴は、まず、応募資格として「陶芸における創作活動を行う方」であれば、年齢や資格、制作拠点、国籍を問わない点がある。今回の第11回からは、海外からの応募規定も改定され、さらに応募しやすい環境へと整えられた。ほかにも、作品の制作内容や形態にも制限はなく、応募作品の点数はひとり一点。サイズも、特別な機材を用いずに移動・設置ができる範囲ならば自由となっている。

木野智史 颪(昇) 第10回入選(2023) h35.0×w45.5×d34.0
星野友幸 練上鉢 ピンクグレージュ 第10回入選(2023) h23.4×w41.0×d41.0

 また、今回は審査方法にも変更が加えられる。これまでは応募作品のみで行われてきた審査に、制作意図のテキストと過去作品の画像が参考情報として審査員に共有される。より多様化する陶芸制作を技術力や完成度に偏らずに審査するための新たな試みである。

 募集要項の詳細は公式ウェブサイトでチェックできる。応募の締切は6月30日。ぜひこの機会に、自由な発想で生み出した革新的な作品を応募してみてはいかがだろうか。

アーグネス・フス 止め石 第10回入選(2023) h44.0×w38.0×d30.0
酒井智也 ReCollection「タうえふわたア」 第9回入選(2021) h24.0×w72.0×d30.0(全体)