加藤泉、過去最大級の個展を北京のレッドブリック美術館でチェック
2014年に開館し、いまや中国を代表する現代美術館のひとつとなったレッドブリック美術館。ここで、アーティスト・加藤泉が日本人初となる個展を開催中だ。加藤にとって過去最大規模となる本展の見どころを写真とともにお届けする。
原始的で匿名的な生命体をモチーフに、有機的なフォルムを特徴とする木彫や油彩画を制作してきた加藤泉。
日本ではこれまで「内なるこどもーThe Child」(豊田市美術館、2006)をはじめ、「MOTアニュアル2007 等身大の約束」(東京都現代美術館)などに参加。また、海外では第52回ヴェネチア・ビエンナーレ(2007)や「Japanorama:New Vision on Art since 1970」(ポンピドゥー・センター・メッス、パリ、2017)などに参加し、多くの支持を得ている。
そんな加藤にとって、過去最大規模となる個展が、中国・北京のレッドブリック美術館で10月14日まで開催されている。
本展では、ドローイングからペインティング、木彫、石彫、そしてファブリックを使った大作まで、50点以上の作品を展示。
展示はエントランスの吹き抜けに展示された5体の巨大な木彫作品《Untitled》からスタート。その奥の長い通路には木彫にソフトビニール素材の立体を合体させた作品や、ペインティングなどが展示ずらりと展示されている。
この通路を抜けると、巨大な展示室を有効に活用したファブリック作品が鑑賞者を出迎える。加藤にとって最新のファブリック作品となるこの《Untitled》は、レッドブリック美術館の展示スペースにあわせて制作された。
また、建物裏手にある庭園では石にペイントした立体作品が設置されるなど、この美術館だけでしかできない鑑賞体験を楽しみたい。