「特別展示 やなせたかし ぼくと詩と絵と人生と」(香美市立やなせたかし記念館)レポート。アンパンマンの生みの親が伝えようとしたメッセージとは
高知県香美市にある香美市立やなせたかし記念館で、「特別展示 やなせたかし ぼくと詩と絵と人生と」が開催されている。会期は11月9日まで。

高知県香美市にある香美市立やなせたかし記念館で、「特別展示 やなせたかし ぼくと詩と絵と人生と」が開催されている。会期は11月9日まで。
やなせたかしは、1919年に高知県在所村(現・香美市香北町)に生まれた。おなかがすいた人に自分の顔を食べさせて助ける正義のヒーロー「アンパンマン」の生みの親として有名だが、絵本作家以外にもさまざまな分野で活躍している。東京田辺製薬、高知新聞社、三越百貨店で働いていた経験も持つやなせは、1953年に漫画家として独立して以降、「ビールの王さま」をはじめとした広告漫画や成人雑誌・新聞への連載漫画も多く手がけた。
また詩人としての一面も持っており、代表作「手のひらを太陽に」を手がけ、本作が収録された『愛する歌』は、詩集としては異例のヒットを出す。さらに詩と絵と漫画を絵本形式でまとめつつ、読者から投稿される作品を主体とした雑誌『詩とメルヘン』を自ら責任編集として創刊するといった編集者としての顔も持っていた。ほかにもミュージカルの舞台装置のデザインを行ったり、手塚治虫からの依頼により、アニメ映画「千夜一夜物語」の美術監督・キャラクターデザインを担当するなど、その活躍は多岐にわたる。