EXHIBITIONS

アマルガム

2025.08.07 - 08.31

入江広基 ”風を踏んで生きていた”「わからない p.14」 2025年

 光灯で、入江広基、サトウリホミ、平野啄也によるグループ展「アマルガム」が開催される。

 「アマルガム」とは、中世ラテン語“amalgam”に由来し、異なる性質をもつものが融合し新たな価値を生むことを意味する。多様な文化や価値観が交差するニューヨークで、移民として生きる3人の視点が作品に率直に反映されている。

 入江広基は写真家として、偶然性から立ち現れる一瞬をとらえる作品を制作。本展では、写真集『わからない』より抜粋した作品を、修復したアンティークのフレームに額装して展示する。写真をたんなるイメージではなく、物質として立ち上げることを試みている。

 サトウリホミは、絵画、ドローイング、コラージュ、スティッチングなど多様な手法で作品を制作してきた。「身体」「構造」「境界」をテーマに、移民として、女性としての経験から生じた違和感や問いを「身体で絵を組み立てる感覚」で表現している。

 平野啄也にとって本展は初の作品発表となる。建築を学び実務を経たのち、ニューヨークにわたりGOLD WOODで展示設営を担当。今回はスタジオで生まれる廃材に着目し、額縁の制作過程とそこに残された痕跡を取り込んだ作品を発表する。フレームを構造物として扱い、知覚の再構築を試みる。

 本展は3人にとって初の共同展示であり、GOLD WOODにとっても所属アーティストによる初のグループ展である。制作と労働の往復から生まれた3人の作品を通じて、新たな視点の交差点を提示する。