江波戸陽子展 / 物は人

　ギャラリー石榴 松本で「江波戸陽子展 / 物は人　Yoko Ebato Exhibition / If all time is eternally present」が開催される。

　江波戸陽子は1988年東京都生まれ。多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業後、同大学院修士課程を修了する。江波戸は一貫して、身近な「もの」に静かな眼差しを注ぎ、その存在に宿る「時間」をとらえることを制作の核としてきた。技法においても、かつては多様であった素材選びが、現在では光沢のある生成りの三椏紙と、油彩転写による黒色線の描写に集約されている。この選択には、美術や視覚イメージの歴史に学びながら、派手さや「映え」を避け「もの」、そしてそこににじむ「人」の気配を誠実に描こうとする作家の姿勢が反映されている。

　本展では、油彩転写によるモノタイプを中心とした新作約20点が展示される。