EXHIBITIONS

国立劇場の名品展

—鏑木清方、小倉遊亀、東山魁夷、髙山辰雄、加山又造…

2025.10.11 - 2026.02.15

山口蓬春 花菖蒲 1967年 平塚市美術館寄託【独立行政法人日本芸術文化振興会(国立劇場)蔵】

 平塚市美術館で「国立劇場の名品展 —鏑木清方、小倉遊亀、東山魁夷、髙山辰雄、加山又造…」が開催される。

 国立劇場は、日本の伝統芸能の保存と振興を目的として1966年に設立された、日本初の「国立」の劇場。明治初期の日本の近代国家の成立とともに、西洋にならった官立劇場の必要性が認識され、長い年月を経て開場に至った。館内には、当時の日本画壇を代表する作家の作品が集められ、劇場空間の格式を高める一翼を担ってきた。

 本展では、国立劇場の再整備等事業に伴う閉場期間中に、平塚市美術館が預かることとなった作品全36点を一堂に展示する。展示作品は、鏑木清方《野崎村》(1914)を除き、1940年代以降に制作されたもので構成。戦後の日本画は、現実社会と伝統的な表現のあいだで新たな方向性を模索する時代を迎え、西洋絵画の技法の参照や東洋古典の再解釈など、様々な試みがなされた。国立劇場のコレクションには、それらの傾向があらわれた作品が多く含まれており、多種多様な作品が集められている。

 本展では、これらの作品を主題やモチーフをもとに「1.物語・役者を描く」「2.風景を描く」「3.花・動物を描く」「4.人を描く」という4 つのテーマに分けて紹介する。