EXHIBITIONS

草間彌生 闘う女/絵を描く少女

2025.10.16 - 2026.03.08
 草間彌生美術館で「草間彌生 闘う女/絵を描く少女」が開催される。

 幼少期から絵を描くことが何よりも好きであった草間彌生の創作は、長い歩みのなかで様々な変遷を遂げてきた。本展は、作品に表れる草間のアイデンティティに「闘う女性」「無邪気な少女」というふたつの顔を見出し、その表出と変容が紹介される。

 1957年に渡米した草間は、白人男性が優位であった当時の美術界において、東洋人女性というマイノリティであるがゆえの果敢な活動を展開。自らのアイデンティティを強く意識したとされるニューヨーク時代には、いち女性として自身や社会と対峙した意欲的な作品が多く生み出された。いっぽう、73年の帰国後は、60年代後半には距離を置いていた絵画制作に再び取り組む。近作においては、鮮やかな色彩やユーモラスな人物描写などの表現が見られる。

 本展では、活動初期のドローイングをはじめ、過去のトラウマによる性への恐怖を克服するための集合彫刻、既存の社会規範や性道徳を挑発するかのようなヌード・パフォーマンスやファッションの記録資料など、渡米期に生み出された挑戦的な表現を展示。

 また、近作からは、心のうちを描き出すかのように制作された絵画シリーズとともに、少女や花がモチーフの立体作品、世界初公開の小型ミラールームを紹介。時代に挑み闘う気迫と、少女のようなあどけなさが同居する、多面的な草間の創作の世界を見ることができる。