EXHIBITIONS

2025年秋季 企画展

もてなす美 ―能と茶のつどい

 泉屋博古館東京で、2025年秋季 企画展「もてなす美 ―能と茶のつどい」が開催される。

 本展では、住友家歴代当主が育んできた能楽と茶の湯の文化に注目し、もてなしの場で使用された能道具や茶道具を紹介する。能関係の資料は、15代当主・住友吉左衞門友純(号・春翠)によって収集されたものが中心であり、能楽師・大西亮太郎の協力のもとに形成された。展示には、春翠が実際に着用して舞を披露したと考えられる装束や、7代当主・友輔がもちいたとされる能面など、住友家ゆかりの品々が含まれる。

 また、大西亮太郎は春翠の能の師であると同時に、茶の湯における交流の相手でもあった。大正期には春翠が主催する茶会に大西がたびたび参加しており、茶会記にはもちいられた道具が記録されている。こうした記録を通じて、春翠の美意識やもてなしの姿勢をうかがい知ることができる。