会場は横浜市役所。渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)が「ひきこもりフェスティバル」で個展
ひきこもりの当事者経験を活かし、アーティスト活動のほか講演会やメディア出演、執筆、などを通じて社会活動家としても活躍する渡辺篤が、横浜市役所で開催される 「ひきこもりフェスティバル」内にて個展「風穴に月」を開催する。
自身もひきこもりの当事者経験を持つアーティスト・渡辺篤が、横浜市役所で開催される 「ひきこもりフェスティバル」内にて個展「風穴に月」を開催する。会期は1月10日~15日。
渡辺は横浜市出身。東京藝術大学大学院修了後、アーティストを目指している過程で、3年にわたるひきこもりとなり、その後、現代美術家として社会復帰した経験を持つ。復帰直後から現在まで、多くの作品制作やプロジェクト活動を精力的に行っており、近年は国内外の美術館や芸術祭で作品を発表。また自身の当事者経験を活かし、講演会やメディア出演、執筆、などを通じて社会活動家としても活躍している稀有な存在だ。
今回は、孤独・孤立当事者たちと協働を行う「アイムヒア プロジェクト」名義での作品など、近年の代表作やインタビュー映像などを展示する。
コロナ禍に発生した孤立に取り組むプロジェクトとして2020年から24年にかけて行われた「同じ月を見た日」では、コロナ禍で孤立する人々とともに、月の観察と撮影を続けてきた。本展では、24年初夏の活動終了までに世界中から集まった約2000枚の月の写真をライトボックスに時系列に並べた《Your Moon》のほか、24年夏に「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」に出展した《月はまた昇る》の展示風景の写真が展示される。
またコンクリートでできた一畳サイズの箱に1週間、自身を密閉し、7日目にカナヅチとノミを使い、自力で大きな穴を開けて、渡辺が出現する《七日間の死)》は、17年に実施した際の様子を記録した、定点カメラを用いた映像作品を、当時の様子を再現した箱とともにインスタレーションとして展示する。
このほか、コロナ感染が収まり始めた頃から、ひきこもりの人々とともに行う“新しいフリーハグ”であるプロジェクト「私はフリーハグが嫌い」からは、ドアとライトボックスの両面性をもつ立体作品8点(新作2点含む)がインスタレーションとして展示される。