ナン・ゴールディンが2025年「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを受賞
ナン・ゴールディンが第56回アルル国際写真フェスティバルの「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを受賞する。

今年年7月7日から10月5日まで開催される第56回アルル国際写真フェスティバルにおいて、米国人アーティストのナン・ゴールディンに「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードが授与されることが決定した。
同賞は、グッチやサンローランなどを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング」が2019年に創設したもので、第一線で活躍する女性写真家のキャリアに敬意を表すことを目的としている。受賞作家の作品はアルル国際写真フェスティバルのコレクションに収蔵され、その対価が受賞者に支払われる。
これまで、「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードはこれまでスーザン・マイゼラス(2019)、サビーヌ・ヴァイス(2020)、リズ・ジョンソン・アルトゥール(2021)、バベット・マンゴルト(2022)、ロザンジェラ・レンノ(2023)、石内都(2024)が受賞してきた。
今年の受賞作家であるナン・ゴールディンは1953年米国ワシントンD.C.生まれ。70年代よりLGBTの友人たちや、世界を席巻したHIV/AIDSの危機を記録した写真家として知られている。そのいっぽう、自身のオピオイド中毒の経験を受けて「P.A.I.N.」(Prescription Addiction Intervention Now)という団体を設立し、オピオイド中毒問題の事態改善を訴える活動でも知られている。近年では、その人生や活動を追うドキュメンタリー映画『美と殺戮のすべて(All the Beauty and the Bloodshed)』(2022)が、第95回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされ話題を集めた。