2026.2.4

福岡市美術館で「浦川大志個展 スプリット・アイランド」が開催中。13メートルの壁面で公開制作も

福岡市美術館で企画展「浦川大志個展 スプリット・アイランド」が開催中。会期は3月22日まで。1月末までは、館内2階コレクション展示室ロビーにて作家による公開制作も行われている。

展示風景より すべて撮影=竹久直樹
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 福岡市美術館で、企画展「浦川大志個展 スプリット・アイランド」が3月22日まで開催中。1月末までは、館内2階コレクション展示室ロビーに設けられた横幅13メートルの壁面にて、作家による公開制作が行われている。

 本展は、福岡県宗像市出身の若手アーティスト・浦川大志にとって、美術館で初めて開催される個展となる。高校在学中から作品発表を始め、各地での展示やコミッションワークを通じて注目を集めてきた浦川は、デジタルネイティブ世代ならではの感覚と、絵を描くというアナログな手仕事への強いこだわりを併せ持つ作家だ。インターネット以後の世界における「風景を見る」体験のリアリティを主題とするその絵画は、同世代の感覚を鋭く映し出している。

展示風景より
展示風景より

 会場では、新作絵画を中心に、これまでの活動をたどる過去作や近年の代表作を紹介。あわせて、公開制作として完成させる壁画は、制作終了後も2028年12月末まで約3年間にわたり展示される予定で、展覧会会期を超えて来館者を迎える存在となる。

公開制作の様子
公開制作の様子

 関連イベントとして、2月7日には浦川自身によるギャラリートークが行われ、これまでの制作活動や本展に込めた思いが語られる。また、2月21日には担当学芸員・忠あゆみによる「つきなみ講座 2月」として、会場を巡りながら展覧会の見どころを解説するギャラリートークが予定されている。

展示風景より

 なお、本展にあわせて浦川の初期作品から新作まで、約80点の図版を収録した図録も発行。作家ステートメントや年譜のほか、梅沢和木、梅津庸一、浦川大志、佐藤恵一、千葉雅也、忠あゆみらが執筆したテキストを収録している。販売場所は、同館ミュージアムショップとオンラインショップのみとなるので、ぜひあわせてチェックしてほしい。

 福岡ゆかりの作家を紹介してきた同館の企画展の系譜を引き継ぎつつ、新たな表現の場を切り開く本企画は、若手作家の現在地を示すと同時に、美術館ロビーという公共空間の可能性をあらためて提示する機会となりそうだ。

展示風景より
展示風景より