2026.3.31

グランフロント大阪に米山舞の作品が登場。「ART SCRAMBLE」第11弾に注目

大阪・梅田エリアのグランフロント大阪で展開されてきたアートプロジェクト「ART SCRAMBLE」。その第11弾として、アニメーター/イラストレーターの米山舞の作品が3点展示される。

米山舞 Reflection(一部) 2026
前へ
次へ

 大阪・梅田エリアのグランフロント大阪で展開されてきた、世界へ羽ばたくアーティストをサポートするアートプロジェクト「ART SCRAMBLE」(アートスクランブル)。その第11弾として、アニメーター/イラストレーターの米山舞の作品が展示される。

 「ART SCRAMBLE」は、プロジェクト・ディレクターに椿昇を迎えて2021年3月にスタート。これまでの全10回で計34点の作品をグランフロント大阪内に展示し、訪れる人々に驚きと発見を届けてきた。

 第11弾として開催される今回は、アニメーター/イラストレーターの米山舞を迎え、新作を含めた作品が3点が展示される。米山は1988年長野県出身。現在SSS by applibotに所属。アニメーション会社を経て、イラストレーターとしてアートディレクションなどを務める傍ら、映像監督としてCMやMVなどで作品を発表している。2019年には初個展となる「SHE」(pixiv WAEN GALLERY)、21年に個展「EGO」(anicoremix gallery)、23年に個展「EYE」(PARCO MUSEUM TOKYO)、そして25年には銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMにて個展「arc」を開催した。

 本プロジェクトでは、グランフロント内の5箇所に作品が展開。南館せせらぎテラスには、メインとなる新作の大型彫刻作品《Reflection》が展示される。本作は、昨年12月に開催された個展「arc」にて発表した彫刻作品のシリーズのひとつ。「二次元の線が三次元の立体に現れる」表現をコンセプトに制作される本作は、見る角度によって多様な表情を見せるほか、夜間はライトアップされ、昼間とは異なる表情を見ることができる。なお本作は、京都芸術大学のなかにある、様々な造形加工設備や機材を有する制作支援工房「ウルトラファクトリー」にて、第一線で活躍するアーティストやクリエイターが学生とともに活動する実践型授業「ウルトラプロジェクト」の一環として制作された。

米山舞 Reflection 2026

 玄関口となるうめきた広場の大階段には、グランフロント大阪をテーマにした新作のイラストレーション作品《GRAND FRONT》が登場。「世界に開かれた最前線のまちであり続けたい」というグランフロント大阪の名前の由来をもとに、壮大な世界を求めて挑戦し続けながら前に進む少女の姿を描く。本作のどこかに隠された手書きの「OSAKA」の文字もぜひ探してみてほしい。

米山舞 GRAND FRONT 2026

 北館2階のイベントスペースでは、個展「arc」で発表された彫刻作品《arc》を展示。個展のメインとなった本作は、二次元と三次元の「間」をアニメーションとして表現しながら、「変身」をテーマに少女の内的な成長過程を表象化したものだ。

米山舞 arc 2025

 ほかにも、メインの彫刻作品と連動した映像やフラッグも展示される。ひとりのアーティストの作品を複数展示する形式は、本プロジェクトでは初の試みとなる。本プロジェクトのキュレーターを務める現代美術家で京都芸術大学教授のヤノベケンジは次のように語る。

米山舞はいま、二次元の線を都市空間へと解き放ち、まったく新しい表現領域を切り開いている。アニメーションで培われた「最小の線で三次元を確定する」技術が、ついに立体として現れたとき、私たちの視覚体験は更新される。本作はたんなる立体ではない。線そのものが空間を支配し、見る者の認識を揺さぶる「線の彫刻」である。これは日本の線文化が次の段階へ突入した決定的な瞬間だ。この作品を見逃してはならない。いま、ここに立ち会え。
米山舞による11枚のアニメーションキービジュアルフラッグ
昨年開かれた米山舞個展「arc」にて発表したアニメーション作品「The story arc」の一部を公開

 この機会に、グランフロント大阪内を巡りながら、動きや光、感情の揺らぎを繊細に描き出す米山の世界観を堪能してほしい。