「VOCA展2025」(上野の森美術館)開幕レポート。平面表現の「多様性」を改めて見つめる機会に
平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に毎年開催されている「VOCA展」。その32回目となる展覧会が、東京・上野の上野の森美術館で開幕した。会期は3月30日まで。

東京都の上野の森美術館で、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若いアーティストの支援を目的に、1994年より毎年開催されている美術展「VOCA展」。その32回目となる「VOCA展2025」がスタートした。会期は3月30日まで。
VOCA展は、平面領域で活動する40歳以下のアーティストを、全国のアートの現場に精通した美術館学芸員、研究者、美術評論家らが推薦するもので、過去の出展者には奈良美智、村上隆など現在日本のアートシーンを牽引する現代美術家たちが名を連ねてきた。また近年は大東忍(2024)、永沢碧衣(2023)、川内理香子(2022)、尾花賢一(2021)がグランプリである「VOCA賞」に選ばれている。


今回、VOCA賞を受賞したのは、熊本県在住の宮本華子による《在る家の日常》。また、VOCA奨励賞には、諫山元貴の《Objects#21》、小林万里子の《The Five Domains》 が、VOCA佳作賞には、鮫島ゆいの《Ritual Room (Pretend to be happy) 》と𠮷田芙希子の《Go into the medaillon》が選出された。
選考委員を務めたのは、植松由佳(委員長 / 国立国際美術館学芸課長)、丹羽晴美(東京都現代美術館事業企画課長)、拝戸雅彦(キュレーター) 、服部浩之(キュレーター/東京藝術大学大学院准教授、国際芸術センター青森館長)。大原美術館が独自の選考で決定する大原美術館賞は髙木優希の《Room》となった。
