ケネス・ノーランド「Paintings 1966 - 2006」

　Pace 東京で、ケネス・ノーランドによる個展「Paintings 3455-7885」が開催されている。

　アメリカ人作家ケネス・ノーランドは、サム・ギリアム、モーリス・ルイス、アルマ・トーマスらを含むワシントン・カラー・スクールの創設メンバーであり、アメリカにおける戦後の抽象芸術を形成するうえで重要な役割を果たした人物だ。フォルムと色彩に対する実験的なアプローチを通して、絵画というメディアを再定義する数々の先鋭的な作品を生み出した。

　ノーランドは1946年から1948年にかけて、生まれ故郷のノースカロライナ州にあるブラック・マウンテン・カレッジで学んでいる。そこで大きな影響力のあったジョセフ・アルバースやジョン・ケージといったアーティストたちの思想に触れ、色彩と偶然性がもたらす表現の可能性に早くから関心を持つ。作風の成熟にともない、ノーランドは円やシェヴロン（V字型）、そのほかの幾何学的形態を特徴とする抽象作品に共鳴力のある色彩を取り入れ続けた。

　本展は、Pace ソウルならびにPace 東京での2部構成として企画され、今年初めにソウルでオープンした展覧会に続くものだ。ノーランドが1960年代から2000年代初頭にかけて制作した代表的なシリーズを含む、美術館級の貴重な作品群を展示。ノーランドの展覧会は、東京では1986年の佐谷画廊以来の展示となる。

　また会期中は、同じくワシントン・カラー・スクールの重要な画家であるサム・ギリアムの展覧会も同時開催。