EXHIBITIONS

柳原美咲 写真展「湯気の道」

2025.03.07 - 03.29
 ギャラリー冬青で、柳原美咲による写真展「湯気の道」が開催されている。

 柳原美咲は1991年群馬県生まれ。日本写真芸術専門学校フィールドワークゼミを卒業後、公文健太郎に師事し、現在は公文が主宰する写真事務所・COO PHOTOに所属。ドキュメンタリーをベースとした広告や書籍などの写真撮影・動画制作を行ういっぽうで、2016年よりライフワークとして日本全国の温泉地を旅し写真を撮り続けている。2022年に『ゆ場』(冬青社)を出版。

 以下、柳原によるアーティスト・ステートメントとなる。

「日本中にある温泉。どれもが大なり小なり物語を持っていて、私はそれを見聞きする旅を十年続けてきた。優しさも哀しさも包み込んでくれる湯のある場に身を置いたとき、改めてその源を探ってみたくなり次第にお湯のはじまりの地を旅するようになった。

 ころころと小石を滑らす山肌。形を変え浮かび続ける湯気のかたまり。音もなく地面から湧き出る碧色の熱。刺さるような日差しに眼底が痛くなったかと思ったら、突然風向きが変わって目の前が湯気に包まれ真っ白になる。微かなガスのにおいと温かな肌触りで鼻腔を抜けていく空気に自分が息をしていることを思い出した。

 一瞬たりとも同じ状態にならないこれらの光景は百年、千年、一万年、どれくらい前からここにあるのだろうか。力強さと儚さが同居する湯のはじまりの地で夢の中にいるような、別世界に行ってしまったような、不思議な感覚を覚えた。確かなことは、これは地球が教えてくれた身体の記憶だということ。私がこの大きな星の中で生きていることを教えてくれた大切な時間だった」(展覧会ウェブサイトより)。