EXHIBITIONS

黒の奇跡・曜変天目の秘密

国宝 曜変天目(稲葉天目) 南宋時代(12~13世紀)

 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で「黒の奇跡・曜変天目の秘密」が開催される。

 中国陶磁の至宝である曜変天目は、12~13世紀の南宋時代につくられ、世界に3点のみ現存し、すべてが日本に伝わっている。多くの人々を魅了し続けているのは、漆黒の釉薬に浮かぶ虹色の光彩による謎めいた美しさと言えるだろう。曜変天目はこの神秘的な輝きのほかにも、製法や伝来など様々な謎を秘めている。

 本展では工芸の黒い色彩をテーマとして、刀剣や鉄鐔など「黒鉄(くろがね)」とよばれる鉄の工芸品や「漆黒」の漆芸品を紹介。そして中国と日本の黒いやきものの歴史をたどりつつ、最新の研究成果をもとに、曜変天目が持つ様々な謎に迫る。