北斎　The Great Wave X Digital 2.0

　MOA美術館で「北斎　The Great Wave X Digital 2.0」が開催されている。

　本展では、葛飾北斎（1760〜1849）の代表作として知られる「富嶽三十六景」を、デジタル技術を活用して展観。「富嶽三十六景」は、富士の威容を示すほか、富士周辺の様々な場所で、生き生きと働く庶民の姿を描いた風景版画シリーズの金字塔だ。その独創的な構図は、クロード・モネやポール・セザンヌにインスピレーションをもたらすなど、世界的な影響の大きさが知られている。とくに「神奈川沖浪裏」は「The Great Wave」として欧米で知られ、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーの交響詩「海」の初版楽譜の表紙デザインには、波の部分がもちいられている。

　本展覧会では、「神奈川沖浪裏」や「赤富士」として知られる「凱風快晴」を高精細デジタル画像として撮影し、大画面で投影。そのほか、作品が描かれた地点の現在の風景を撮影・比較展示し、新たな魅力を発信する。