EXHIBITIONS
戦後80年記念特別展
東松照明と土門拳-語りつぐ写真-
土門拳写真美術館で、戦後80年を記念した特別展「東松照明と土門拳-語りつぐ写真-」が開催される。
ともに20世紀の日本写真界を牽引した東松照明と土門拳。戦前に報道写真家として出発した土門と戦後に活動を始めた東松は、やや世代が異なるものの接点を持っている。
1950年代初頭、土門は写真雑誌のコンテスト審査員を務めるなかで独自のリアリズム写真運動を展開し、大きなムーブメントを巻き起こした。当時大学生だった東松もこのコンテストにしばしば入賞し、土門から高い評価を得ている。その後の東松は、土門の師でもある写真家・編集者の名取洋之助が立ち上げた『岩波写真文庫』のスタッフを経て独立し、敗戦後の日本の社会状況を題材にした「占領」シリーズなど、斬新な映像感覚に満ちた作品群を発表。そして1961年には、土門らとの共作による写真集『Hiroshima-Nagasaki Document 1961』で長崎の撮影を担当し、土門の広島の写真とともに、原爆に関する強烈なメッセージを提示した。また、晩年の土門が日本中の寺院を撮り歩く『古寺巡礼』シリーズを展開したのに対し、東松は琉球弧やアフガニスタンへも撮影のフィールドを広げつつ沖縄や長崎への移住も経験するなど、ともに止むことなく自身の活動を拡張していった。
本展は、戦争や原爆をはじめとする日本の社会状況を見つめながら新たな表現を開拓し、写真界に大きな足跡を残した両者の作品を展覧する初の2人展となる。戦後80年という節目に、20世紀の写真がたどってきた道程を振り返るとともに、写真を通していまなお止まない戦火について考え語り継ぐ機会となることを目指す。
なお、土門作品については、広島および長崎で撮影された約20点の初展示作品の公開を予定している。
また、同館では「土門拳賞ヒストリー -写真家と戦争の軌跡-」(7月11日~9月24日)、「第31回酒田市土門拳文化賞受賞作品展」(9月26日~10月26日)が同時開催。
「土門拳賞ヒストリー -写真家と戦争の軌跡-」では、今年44回目を迎えた「土門拳賞」(毎日新聞社主催)の歴代受賞作から、8名の写真家による約35点を紹介。国内外の戦争に関連した作品や、現代の写真家たちによる多様なアプローチをたどる。出品作家は、石川真生、江成常夫、大石芳野、亀山亮、北島敬三、砂守勝巳、土田ヒロミ、船尾修。
ともに20世紀の日本写真界を牽引した東松照明と土門拳。戦前に報道写真家として出発した土門と戦後に活動を始めた東松は、やや世代が異なるものの接点を持っている。
1950年代初頭、土門は写真雑誌のコンテスト審査員を務めるなかで独自のリアリズム写真運動を展開し、大きなムーブメントを巻き起こした。当時大学生だった東松もこのコンテストにしばしば入賞し、土門から高い評価を得ている。その後の東松は、土門の師でもある写真家・編集者の名取洋之助が立ち上げた『岩波写真文庫』のスタッフを経て独立し、敗戦後の日本の社会状況を題材にした「占領」シリーズなど、斬新な映像感覚に満ちた作品群を発表。そして1961年には、土門らとの共作による写真集『Hiroshima-Nagasaki Document 1961』で長崎の撮影を担当し、土門の広島の写真とともに、原爆に関する強烈なメッセージを提示した。また、晩年の土門が日本中の寺院を撮り歩く『古寺巡礼』シリーズを展開したのに対し、東松は琉球弧やアフガニスタンへも撮影のフィールドを広げつつ沖縄や長崎への移住も経験するなど、ともに止むことなく自身の活動を拡張していった。
本展は、戦争や原爆をはじめとする日本の社会状況を見つめながら新たな表現を開拓し、写真界に大きな足跡を残した両者の作品を展覧する初の2人展となる。戦後80年という節目に、20世紀の写真がたどってきた道程を振り返るとともに、写真を通していまなお止まない戦火について考え語り継ぐ機会となることを目指す。
なお、土門作品については、広島および長崎で撮影された約20点の初展示作品の公開を予定している。
また、同館では「土門拳賞ヒストリー -写真家と戦争の軌跡-」(7月11日~9月24日)、「第31回酒田市土門拳文化賞受賞作品展」(9月26日~10月26日)が同時開催。
「土門拳賞ヒストリー -写真家と戦争の軌跡-」では、今年44回目を迎えた「土門拳賞」(毎日新聞社主催)の歴代受賞作から、8名の写真家による約35点を紹介。国内外の戦争に関連した作品や、現代の写真家たちによる多様なアプローチをたどる。出品作家は、石川真生、江成常夫、大石芳野、亀山亮、北島敬三、砂守勝巳、土田ヒロミ、船尾修。