EXHIBITIONS
土田ヒロミ ヤノベケンジ 栗林隆
不可視への眼差し / Rays out of Sight — Art and Radiation, A visual chronology since 1945
MOMENT Contemporary Art Centerで、土田ヒロミ、ヤノベケンジ、栗林隆による展覧会「不可視への眼差し / Rays out of Sight — Art and Radiation, A visual chronology since 1945」が開催されている。
本展では、原爆投下から80年となる今年、1945年以降被爆国としての歴史を持つ日本において、アーティストたちが放射線という主題にいかに向き合い、その影響をどのようなかたちで表現してきたのかを紹介する。
土田ヒロミは1939年生まれ。60年代に写真家として活動を始めて以降、一貫して戦後日本の民族性、精神性の表象に焦点をあてた作品を発表してきた。本展では、土田の代表的なシリーズとしても知られる、被爆体験者の作文集『原爆の子』(長田新編、岩波書店、1951)に寄せた、彼らの33年後の「現在」を写したポートレイト《ヒロシマ1945-1979》(1979)、爆心地の被爆の痕跡を残す風景を定点撮影した《ヒロシマ・モニュメント》(1979ー)、そして広島平和記念資料館におさめられている遺品などを撮影した《ヒロシマ・コレクション》(1981ー)からなる「ヒロシマ三部作」を展示している。
ヤノベケンジは1965年生まれ。90年代より「現代社会におけるサバイバル」をテーマに、近未来的な想像力のもと、機能性のある彫刻作品を制作。とくに、放射線を「感知」する機能を備え、内部被ばくを防ぐ自作の《アトムスーツ》を着用して、原発事故後のチェルノブイリ原発や周辺地域などを探訪する《アトムスーツ・プロジェクト》(ー2003)はヤノベの代表的なプロジェクトのひとつとなっている。本展では、このプロジェクトに含まれる写真作品であり、21世紀以降のヤノベの新たなテーマ「リバイバル(=復活・再生)」を象徴する作品制作のきっかけにもなった《アトムスーツ・プロジェクト:保育園4・チェルノブイリ》(1997/2001)および関連のドローイング作品を展示。
栗林隆は1968年生まれ。自然、人間、土地などあらゆるもの同士に存在する境界線をテーマに、大型インスタレーションやドローイング、映像など、様々なメディアを用いて作品を制作してきた。また、栗林は2011年に発生した福島第一原発事故以前からエネルギー問題に関心を寄せ、東日本大震災以降は福島へ足を運びながら、原発問題を下敷きとする作品を多く発表している。本展では、震災10年目となる節目に下山芸術の森発電所美術館(富山県)で初号基を発表したスチームサウナ式のインスタレーション《元気炉》シリーズから、新作を奈良で制作、発表している。
本展では、原爆投下から80年となる今年、1945年以降被爆国としての歴史を持つ日本において、アーティストたちが放射線という主題にいかに向き合い、その影響をどのようなかたちで表現してきたのかを紹介する。
土田ヒロミは1939年生まれ。60年代に写真家として活動を始めて以降、一貫して戦後日本の民族性、精神性の表象に焦点をあてた作品を発表してきた。本展では、土田の代表的なシリーズとしても知られる、被爆体験者の作文集『原爆の子』(長田新編、岩波書店、1951)に寄せた、彼らの33年後の「現在」を写したポートレイト《ヒロシマ1945-1979》(1979)、爆心地の被爆の痕跡を残す風景を定点撮影した《ヒロシマ・モニュメント》(1979ー)、そして広島平和記念資料館におさめられている遺品などを撮影した《ヒロシマ・コレクション》(1981ー)からなる「ヒロシマ三部作」を展示している。
ヤノベケンジは1965年生まれ。90年代より「現代社会におけるサバイバル」をテーマに、近未来的な想像力のもと、機能性のある彫刻作品を制作。とくに、放射線を「感知」する機能を備え、内部被ばくを防ぐ自作の《アトムスーツ》を着用して、原発事故後のチェルノブイリ原発や周辺地域などを探訪する《アトムスーツ・プロジェクト》(ー2003)はヤノベの代表的なプロジェクトのひとつとなっている。本展では、このプロジェクトに含まれる写真作品であり、21世紀以降のヤノベの新たなテーマ「リバイバル(=復活・再生)」を象徴する作品制作のきっかけにもなった《アトムスーツ・プロジェクト:保育園4・チェルノブイリ》(1997/2001)および関連のドローイング作品を展示。
栗林隆は1968年生まれ。自然、人間、土地などあらゆるもの同士に存在する境界線をテーマに、大型インスタレーションやドローイング、映像など、様々なメディアを用いて作品を制作してきた。また、栗林は2011年に発生した福島第一原発事故以前からエネルギー問題に関心を寄せ、東日本大震災以降は福島へ足を運びながら、原発問題を下敷きとする作品を多く発表している。本展では、震災10年目となる節目に下山芸術の森発電所美術館(富山県)で初号基を発表したスチームサウナ式のインスタレーション《元気炉》シリーズから、新作を奈良で制作、発表している。