江康泉　電気心音

　金沢21世紀美術館で「江康泉　電気心音」が開催される。

　江康泉は1977年マレーシア・サラワク生まれ、香港育ち。香港中文大学美術学部を卒業後、香港城市大学でクリエイティブメディア修士課程を修了した。マンガ、アニメーション、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど、ジャンルやメディウムの枠を超えて表現活動を展開している。また視覚芸術とアニメーション監督を主な領域としながら、インディペンデント出版や映像芸術にも取り組んできた。

　本展では、江がこれまで展開してきた一連の作品を紹介する。東洋の古典文学や思想、歴史的モチーフをもとに構築された江の作品は、都市と個人の記憶、アイデンティティといったテーマを重層的に結びつけ、過去・現在・未来が交錯する独自の世界観を形成している。

　また、最新作「未来本生譚」では、仏教の本生譚（ジャータカ）をモチーフとし、人工知能が悟りに至るという未来像を描く。伝統的な宗教美術とテクノロジーの交差により、人間とAIが共有しうる精神性や信仰のあり方を提示する。