2024.9.12

「DX 時代のメディア表現──新しい日常から芸術を思考する」が岐阜・大垣のIAMASで開催。「新しい日常」を問い直す

「清流の国ぎふ」文化祭2024「DX 時代のメディア表現──新しい日常から芸術を思考する」が、岐阜・大垣市の情報科学芸術大学院大学[IAMAS]で開催される。会期は11月1日〜7日。

藤幡正樹《Light on the Net》
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 「清流の国ぎふ」文化祭2024「DX 時代のメディア表現──新しい日常から芸術を思考する」が、岐阜・大垣市の情報科学芸術大学院大学[IAMAS]で開催される。会期は11月1日〜7日。ディレクターは同大学院大学教授の松井茂。

 コロナ禍から始まった「新しい日常」において、デジタル技術を介したコミュニケーションは生活に深く浸透した。本展はこうした「新しい日常」という現在から、メディアとテクノロジーの過去をとらえ直し、未来を芸術を介して思考するものだ。

 情報産業の拠点として1996年にオープンしたソフトピアジャパンセンタービルに設置されていた藤幡正樹《Light on the Net》は、インターネットを介してコミュニケーションをする作品だ。

藤幡正樹《Light on the Net》

 インターネット黎明期に出現した世界的にも先進的取り組みとして、 当時から注目を集めた本作は、2024年よりIAMAS附属図書館に設置されている。岐阜県大垣市の先取の気風と、IAMAS が目指すアートとテクノロジーによる社会実践を象徴する展示となる。

 さらに、第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2024)で日本館の代表として展示している毛利悠子によるオンライン作品を、岐阜市の久松真一記念館から配信。20 世紀を代表する音楽家ジョン・ケージへのオマージュである本作が、ケージと親交のあった岐阜出身の世界的な禅者、久松真一の晩年を過ごした旧宅から配信される。

 ほかにも富山湾の蜃気楼とのコラボレーションによる配信作品を制作した山下麻衣+小林直人が、自然とのコラボレーションの原点となるパフォーマンス作品《発芽を待つ》の記録映像を配信。また、IAMAS の授業でもあるプロジェクト実習を契機に制作された、機械学習モデルを「眼」として、鑑賞者が自身の中にジョルジョ・モランディの作品世界を再構築するArchival Archtyping《モランディの部屋》も体験できる。

 このほか⻘柳菜摘+佐藤朋子、赤松正行、池田町有線放送電話プロジェクト、 クワクボリョウタ、谷口かんな、平瀬ミキ、誉田千尋、前林明次、ミズタニタマミ、三輪眞弘、安喜万佐子+前田真二郎らが参加。加えて、各種トークイベントやIAMAS教員による地域でのメディア表現なども実施される。

 ディレクターの松井は本展について次のようにコメントしている。「本展が注目するメディア表現は、数学的・科学的発想、技術や工学を応用した新たな創造性に基づき、人類が有史以来培ってきた温故知新の哲学を統合する分野の一端を占めています。特に、 空間と時間の隔たりを超越することに着目し、『ここ・よそ』と『過去・現在・未来』を繋ぐ、 『・』を意識したい。デジタルとアナログ、端末(オンライン)と対面(リアル)、サブスクリプション視聴と同時視聴、新しいと古い等々......。「あいだ」を意識する想像力こそが、持続可能 な社会を先導する理性であり、メディアであり、霊性だと仮定しよう」。