2025.4.8

サントリー美術館で「まだまだざわつく日本美術」が開催。「ざわつく日本美術」が4年ぶりのカムバック

サントリー美術館で、展覧会「まだまだざわつく日本美術」が開催される。会期は7月2日~8月24日。

石山寺縁起絵巻(模本) 第五巻(部分) 谷文晁 七巻のうち 江戸時代 19世紀
【展示期間:7月2日~28日】
前へ
次へ

 東京・六本木のサントリー美術館で、展覧会「まだまだざわつく日本美術」が開催される。会期は7月2日~8月24日。

 本展は2021年夏に開催された展覧会「ざわつく日本美術」の第2弾。思わず「心がざわつく」ような展示方法や作品を通して、目や頭、心をほぐし、「作品を見たい!」という気持ちを高めるような工夫がなされている点が特徴となっている。

 今回のテーマは「ぎゅうぎゅうする」「おりおりする」「らぶらぶする」「ぱたぱたする」「ちくちくする」「しゅうしゅうする」の6つ。第1章の「ぎゅうぎゅうする」では、日本で古くから親しまれてきた「尽くし文」や「ものづくし絵」といった作品からそこに込められた願いやデザインとしての意図を探るものとなる。

 第2章の「おりおりする」では、日本美術には欠かせないジャンルである「屛風」を取り上げる。実在する屛風の展示に加え、絵画のなかに描かれた屛風をその折り曲げ方も含めて再現展示するという。

色絵寿字宝尽文八角皿 鍋島藩窯 一枚 江戸時代 17世紀末~18世紀初
【通期展示】
孔雀図屛風 左隻 雲谷等璠 八曲一双のうち 江戸時代 17~18世紀 
【通期展示(扇替あり)】

 第3章「らぶらぶする」では、日本美術作品を通じて描かれてきた様々な恋愛模様を紹介する。人物相関図や場面解説を手掛かりに、作品の主題となったり密かに暗示されたりした、多様かつ複雑な愛のかたちをも目の当たりにすることができるだろう。

 第4章「ぱたぱたする」で取り上げるのは、平面性と立体性を兼ね備えた日本美術作品だ。漆工、やきもの、ガラスなどの立体作品を360度から見られるように展示したうえで、各作品とその展開図を比較できるような視点を提示するという。

美人図(部分) 西川祐信 一幅 江戸時代 18世紀 
【展示期間:7月2日~28日】
紫陽花螺鈿蒔絵重箱 一合 江戸時代 17世紀
【展示期間:7月2日~28日】

 第5章の「ちくちくする」では、江戸時代後期以降、現在の青森県津軽地方の農村の女性が育んだ技法で、現在では手芸の一分野としても知られる「津軽こぎん刺し」にフォーカス。観察したり模型に触れることで、刺し手の視点に近づくことを試みるものとなる。

 最終章となる「しゅうしゅうする」では、かつて作品の収集に努めてきたコレクターたちの愛と執念にせまる。収集活動にまつわる逸話や収納箱などの収集方法に着目することで、作品がいま目の前に存在することの価値を伝える役割を担うという。

 大人はもちろん子供も楽しめる本企画展。夏休み期間を利用してぜひ足を運んでみてほしい。

東こぎん 着物 一領 江戸~明治時代 19世紀 
【展示期間:7月2日~28日】
薩摩切子 藍色被船形鉢 一口 江戸時代 19世紀中頃
【通期展示】

※作品はすべてサントリー美術館所蔵