2025.8.12

バカラが「バカラとアール・デコ」を開催。貴重なミュージアムピースを特別展示

世界的なクリスタルのラグジュアリーブランドとして知られるバカラが、「バカラとアール・デコ ― 1925年 パリ アール・デコ博覧会から100年 ―」をバカラショップ 丸の内で開催する。

シャンデリア「ジェドー(噴水)」 ©Baccarat
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 世界的なクリスタルのラグジュアリーブランドとして知られるバカラが、「バカラとアール・デコ ― 1925年 パリ アール・デコ博覧会から100年 ―」をバカラショップ 丸の内で開催する。会期は8月29日〜10月22日。

グラスセット「フロレアル」
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 バカラは1764年創業。アール・デコ様式が花開いた1920年代、その代表的な担い手として、革新的なデザインと卓越した技術を融合させた作品を次々に発表した。なかでも当時のアーティスティック・ディレクターであり、バカラのモダンデザインを牽引したジョルジュ・シュヴァリエは、伝統的なクリスタルの美に大胆な幾何学性や洗練されたシルエットを持ち込み、ブランドに新たな息吹をもたらした。とくに1925年の「現代装飾・産業美術国際博覧会」(アール・デコ博覧会)では、「噴水」をテーマにしたパヴィリオンでシュヴァリエの構想による壮麗なシャンデリアやアール・デコ様式の傑作を披露し、アール・デコを代表するメゾンとしての地位を確立した。

1925年のアール・デコ博覧会における、バカラパヴィリオン外観
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バカラパヴィリオン内観
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 アール・デコ誕生から100年を迎える今年、バカラはフランス・バカラ ミュージアムが所蔵する貴重な作品のなかから、選りすぐりの逸品7点を集めた特別展示をバカラショップ 丸の内にて期間限定で開催する。その一部を紹介しよう。

 シャンデリア「ジェドー(噴水)」は、「現代装飾・産業美術国際博覧会」で展示されたもので、カットクリスタルのパールが、沸き上がる水のように配された壮麗なシャンデリア。 7020ものクリスタルピースで構成されており、展示テーマを具現化したものだ。 今回はその縮小版で、高さ1.4メートルのものを見ることができる。 

シャンデリア「ジェドー(噴水)」
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 花瓶「ポピー」はフランスのデザイナー、ジョルジュ・デュネイムがバカラのためにデザインした作品。つぼみの豊かな姿を作品全体の丸みを帯びたフォルムで表現し、作品の下部には、様式化された満開時の花があしらわれている。 

花瓶「ポピー」
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 グラスセット「菱形カット」はジョルジュ・シュヴァリエによるデザイン。 バカラ独自の、純金を配合して再焼成することで発色させた赤いクリスタルを、透明なクリスタルに重ねた二重被せガラスの製法でつくられている。力強いフォルム、幾何学的なラインでカットされた側面、そして赤と透明という色彩のコントラストが際立つ名作だ。

グラスセット「菱形カット」
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 1937年パリで開催された「近代生活における芸術と技術に関する国際博覧会」は、バカラが熟練の職人た ちに新たな技術的挑戦を課す機会となり、クリスタルの表現力の限界に挑むきっかけとなった。ジョルジュ・シュヴァリエはこの博覧会のために四角い土台を特徴とする斬新なコレクションをデザイン。グラスセット「スクウェア」はそのひとつ。当時はヨットが大流行しており、台座が四角形でステム (脚部)がないデザインは、重心が低くなることで洋上でも安定性を保てるように工夫したものだ。

グラスセット「スクウェア」
©Baccarat

 アール・デコから100年となる今年、バカラの名作を通じて当時のデザインが現代にどのように影響しているかを体感したい。

ボウル「スクウェア」
©Baccarat
ボウル「スクウェア」
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