2025.9.22

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とオフィシャルコラボ。「EGO IN THE SHELL: GHOST INTERROGATION」とは?

ニューヨークのギャラリー「Offline」が、サイバーパンクの金字塔的な作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』との正式なコラボレーションによって制作された草野絵美による没入型個展「EGO in the Shell: Ghost Interrogation」を開催する。

草野絵美 EGO in the Shell 2025 生成AIイメージ © Masamune Shirow, Production I.G, Kodansha / Ghost in the Shell Production Committee. Courtesy of the artist and Offline Gallery.
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 士郎正宗の同名マンがを原作とする、長編アニメ映画の金字塔『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(監督:押井守)。同作と正式にコラボレーションしたアーティスト・草野絵美の個展「EGO in the Shell: Ghost Interrogation」が、ニューヨークのギャラリー「Offline」で開催される。ゲストキュレーターは、金沢21世紀美術館 主任学芸員、角川武蔵野ミュージアム チーフキュレーターを経て、現在は京都芸術大学教員、先端領域ELSI 研究所分子ロボット倫理委員を務める高橋洋介。

©1995 Shirow Masamune/KODANSHA・BANDAIVISUAL・ANGAENTERTAINMENT. All Rights Reserved

 草野はAIなどの新技術を取り入れ、ノスタルジア、ポップカルチャー、集合的記憶を主題に作品を制作してきた。作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシフ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館などで展示されてきた。また今年に入って世界経済フォーラムにより「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出されている。

 本展は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の世界観からヒントを得たもので、ロウアー・マンハッタンのギャラリー空間を、記憶・監視・アイデンティティが交差する「場」へと変容。AIによる虚構の幼少期を描く映像作品群、『攻殻機動隊』の世界が加速し続けた未来像を探る作品群、そしてCRTモニター彫刻やホログラム取調室体験といった没入型インスタレーションが絡み合う空間が構築されるという。

 草野はニューヨークにおける初個展となる今回にあわせ、「このプロジェクトは、記憶の脆さと自我の不安定さをめぐる儀式です。AIによる再構築と私自身の過去の断片を組み合わせることで、観客のみなさんに“永続”と“無常”の両義性を体験していただきたいと思っています。『攻殻機動隊』は、これまでの私の創作に大きな影響を与え続けてきた作品です。いまの世界は情報があふれ、アルゴリズムが分断を加速させています。だからこそ、記憶すること、感じること、そして現実を生きることの意味を、あらためて考えていただければと思います」とコメント。

 またミカ・バル=オン・ネッシャー(Offline ディレクター/キュレーター)は次のように期待を寄せる。「今日の世界では、精神と身体、過去と未来、有機と人工といった“自我”を区切ってきた境界が溶け出しています。『攻殻機動隊』はその解体を数十年前から予見していました。草野絵美は、そのビジョンをAIや監視、そしてデジタルな儀礼といった現代のレンズを通して再び立ち上げています。古代の追悼や記憶の作法と未来的なテクノロジーを結びつけることで、本展は“自己とは何か”、そして“失い、映し出され、機械と共に書き記されていく自己”についての瞑想の場となるのです」。

©1995 Shirow Masamune/KODANSHA・BANDAIVISUAL・ANGAENTERTAINMENT. All Rights Reserved