生誕130年記念特別展「西光万吉の表現」が奈良の水平社博物館で開催。水平社設立者のひとり、西光万吉の美術家としての顔に迫る
奈良の水平社博物館で水平社設立の中心人物のひとりであった西光万吉の生誕130年を記念した特別展「西光万吉の表現」を開催される。会期は11月1日〜2026年1月12日。

奈良・御所市の水平社博物館で、生誕130年記念特別展「西光万吉の表現」を開催される。会期は2025年11月1日〜2026年1月12日。主催は水平社博物館と「不可視化への抵抗:〈職業と世系に基づく差別〉と〈日本美術史〉に関する研究」研究会(主宰:小田原のどか)。

本展は西光万吉(本名:清原一隆、1895〜1970)の美術作品を紹介するもの。水平社博物館で初めて開催される本格的な美術展となり、美術史、文化研究、歴史学、文学などを専門とする研究者たちと水平社博物館による共同研究の成果発表の機会にもなる。

水平社博物館は、水平社創立者たちをはじめとした差別に抗して生きてきた人々が残した足跡の保存を目的に、水平社発祥の地である奈良・御所市柏原に1998年、設立された。以来、水平社博物館は人権情報発信基地としての役割を担い、あらゆる差別撤廃に向けた情報を発信する施設として活動を継続している。

水平社設立の中心人物のひとりであった西光が、専門的な美術教育を受けていたことはあまり知られていないが、その作品は、確かな描写力に裏打ちされるとともに、独自の理論や着想が蓄積されている。本展は西光が仲間たちと水平社を組織する以前、専門的に美術教育を受け、画家を志したという事実を軸に、作品の創作プロセスや背景を紹介し、その独創的な制作をひもとくものとなる。
