2026.1.6

CURATION⇄FAIR Tokyoが今年もkudan houseで開催。展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」も最終章

東京・九段のkudan house でCURATION⇄FAIR Tokyoが今年も開催される。遠藤水城のキュレーションによる展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」の会期は1月23日〜2月8日。アートフェアは2月13日〜15日に行われる。

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 東京・九段の登録有形文化財、kudan house で、キュレーターによる展覧会とアートフェアの二部構成で構成されるCURATION⇄FAIR Tokyoが今年も開催される。会期は展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」が1月23日〜2月8日。アートフェアが2月13日〜15日。

「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」2025の展示風景より 撮影=柳原美咲

 キュレーター・遠藤水城による展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」は、2024年、25年に続き、今回が3回目の開催。川端康成と大江健三郎によるノーベル文学賞受賞講演を起点に、日本の近現代史と美術の関係を多層的に読み解く試みとなっている本展は、2024年から続いてきたシリーズの最終章となる。

 展覧会は李朝白磁、明治・戦後美術、現代作家による新作など、時代やジャンルを横断する複数のパートで構成。関東大震災の教訓から生まれ、戦火を免れた建築であるkudan houseの歴史的文脈を背景に、近代化や戦争、自然災害とともにあった日本美術の姿を浮かび上がらせる。

 会場では雨宮庸介がVR(仮想現実)を用いた新作を発表。本作はkudan houseという建築が持つ震災の記憶、さらには戦後文学の旗手である大江健三郎の世界観と接続するサイトスペシフィックな内容となる予定。VRという「未来」の視座から、過去の文学や建築の記憶を再構築する試みとなる。

雨宮庸介によるドローイング 2025

 また、数百年前の朝鮮半島で焼かれた「李朝白磁」も展示される。柳宗悦らが「悲哀の美」や「無作為の美」を見出した白磁を、精神性の結晶として、無名の工人たちの記録として、そして日本の植民地主義の帰結として、本展のタイトルにある「あいまいさ」と呼応させるかたちで展示。

「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」2025展示風景より 撮影=柳原美咲

 さらに、協力ギャラリーが選定した長時間の映像作品や、ドキュメンタリー性の高い作品を上映。また、明治期の浮世絵師・小林清親が描いた日清戦争を報じた木版画作品を展示するとともに、戦後の日本美術会創立の声明文に署名した作家たちによる作品を展示。 会場には画集や関連書籍が集められた「資料室」も設置され、日本美術の出発点がその後どのような道程をたどったかを考えることができる。

「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」2025展示風景より 撮影=柳原美咲

 加えて地下空間では、五月女哲平(1980〜)による抽象絵画を展示。 歴史の重層性を背負った地上階とは対照的に、絵画と直接的に向き合う空間となる。

五月女哲平の作品(参考作品) 撮影=永禮賢

 また、通常は非公開となっている邸宅の3階バルコニーが開放され「期間限定カフェ」となる。スパニッシュ様式の瓦屋根やアーチ窓、そして眼下に広がる庭園の緑を眺めながら、コーヒーやドリンクを楽しめる。

期間限定カフェの様子 撮影=柳原美咲

 なお、アートフェアにはANOMALY、ギャラリー広田美術、KANEGAE、MA2Gallery、MISAKO & ROSEN、しぶや黒田陶苑、ギャラリー 志、瞬生画廊、TARO NASU、東京画廊+BTAP、Wa.gallery、WAITINGROOMなど20軒のギャラリーの出展を予定している。