2026.2.2

韓国国立中央博物館の名品が来日。東京国立博物館で特別企画「韓国美術の玉手箱―国立中央博物館の所蔵品をむかえて―」開催

東京国立博物館と韓国国立中央博物館は、1965年の日韓国交正常化から60年を記念し、特別企画「韓国美術の玉手箱―国立中央博物館の所蔵品をむかえて―」を開催する。

観音菩薩坐像 高麗時代・13世紀 韓国国立中央博物館蔵
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 東京国立博物館と韓国国立中央博物館は、1965年の日韓国交正常化から60年を記念し、特別企画「韓国美術の玉手箱―国立中央博物館の所蔵品をむかえて―」を開催する。会期は2月10日〜4月5日。

 日本と韓国の歴史・文化は、古代以来、相互に影響を与えながら形成されてきた。両館は、こうした関係性を踏まえ、2002年に学術交流協定を締結して以降、研究員の相互派遣や共同調査、作品の相互貸借など、多面的な交流を20年以上にわたって継続してきた。本展は、その蓄積の成果として実現するものであり、韓国国立中央博物館が誇る名品を中心に、韓国美術の精華を紹介する。

 本展は2章構成。第1章「高麗―美と信仰」では、高麗時代(918〜1392)に花開いた仏教美術と工芸を紹介する。洗練された造形を示す観音菩薩坐像をはじめ、『法華経』と並んで韓国仏教においてもっとも重要な経典『大方広仏華厳経』、胴体が平たく押しつぶされた形の青磁の壺《青磁象嵌山水人物文扁壺》など、信仰と貴族文化が生み出した造形美を示す作品が並ぶ。

大方広仏華厳経 巻第十二(部分) 高麗時代・14世紀 韓国国立中央博物館蔵
青磁象嵌山水人物文扁壺 高麗時代・13〜14世紀 韓国国立中央博物館蔵
宝物 銀製鍍金托盞 高麗時代・12世紀 韓国国立中央博物館蔵

 第2章「朝鮮王朝の宮廷文化」では、儒教を統治理念とした朝鮮王朝(1392〜1897)の宮廷文化に焦点を当てる。王の行幸を描いた八曲屛風《華城園幸図屛風》をはじめ、宮廷絵画や服飾品、官服などを通して、礼節と秩序を重んじる王朝文化の美意識を読み解く。華麗でありながらも節度を備えた造形は、現在の韓国美術にも連なる美的基盤を示している。

金得臣ほか筆 華城園幸図屛風(第1図 華城聖廟展拝図) 朝鮮時代・正祖19年(1795) 韓国国立中央博物館蔵
闊衣(背面) 20世紀初 韓国国立中央博物館蔵

 本展の大きな見どころのひとつが、日本初公開となる作品の多さだ。韓国国立中央博物館所蔵の名品17件のうち、15件が日本初公開となる。また展示構成や作品解説は、両館の研究員が共同で担当し、長年の学術交流によって培われた知見を、来館者にわかりやすく伝える。

 なお、日本での開催に先立ち、韓国国立中央博物館では日韓国交正常化60周年記念展「日本美術のとびら―四つのまなざし」(2025年6月17日〜8月10日)が開催されており、両館は相互に展覧会を開催するかたちで節目の年を祝う。本展は、国境を越えた協働によって、あらためて韓国美術の豊かさと歴史的厚みを再確認する機会となるだろう。