坂本龍一、幻のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が4K レストア版で公開へ
1985年に制作された坂本龍一の幻のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』が、4K レストア版として2026年1月16日に公開される。

1985年に制作された坂本龍一の幻のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』。同作が40年の時を超え、4K レストア版として2026年1月16日に公開される。
同作は、1984年に写真家でもあるエリザベス・レナード監督とフランス国⽴視聴覚研究所(INA)が制作したドキュメンタリー。わずか60分余りの16mmフィルムには、スタジオでのレコーディング⾵景やインタビューを通して、30代だった坂本が価値観、⾳楽哲学、⽂化について語る姿が収められている。
また、坂本が⾳楽を担当・主演した⼤島渚監督作『戦場のメリークリスマス』(1983)、YMOの散開コンサートやプロモーションビデオの映像も含まれ、さらに、かつて新宿にあったアルタや渋⾕のスクランブル交差点など、1980 年代の東京の⾵景が⽣き⽣きと映し出される。「坂本の⽬と、彼のポートレートを通して⾒た東京の⾳」(レナード監督)を体感することができる貴重な作品。「すべては同時代的であらざるを得ない」という坂本の⾔葉通り、“1984年5⽉”当時の坂本⿓⼀、東京、⽇本が切り取られ、差し出しされている。
撮影期間はわずか1週間。坂本⿓⼀の⽇常をフィルムに収めた初めての映画として注⽬を浴びた同作は、フランス国内でテレビ番組として放送され、⼤きな反響を呼んだ。85年2⽉にはオランダのロッテルダム映画際で⼤絶賛を浴び、同年4⽉にニューヨーク近代美術館主催のフィルム・フェスティバル「ニュー・ディレクターズ、ニュー・フィルムズ」から上映招待を受け、全出品作のうち唯⼀ソールド・アウトを記録。さらにロカルノ映画祭、サンパウロ国際映画祭で上映。日本では同年6⽉9⽇に第1回東京国際映画祭でのみ公開された。
その後、VHSとDVDが発売されたが⼊⼿困難な状況が続いていた。しかし、最近になって倉庫に眠っていた16mm フィルムが発⾒され、修復を経てデジタル化が実現した。今回の4K レストア版上映は、多くの坂本ファンにとって待望の機会となるはずだ。