2025.9.17

今年で10回目の開催。「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」の見どころをチェック

アジアをコンセプトとしたアートフェア「ART FAIR ASIA FUKUOKA」が、今年10回目の開催を迎える。9月26日〜28日の開催に先んじて、「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」の見どころをまとめて紹介する。

「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024」会場の様子
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 アジアをコンセプトとしたアートフェア「ART FAIR ASIA FUKUOKA」(AFAF)。その10回目となる「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」がマリンメッセ福岡で開催される。会期は9月26日〜28日の3日間。

 同フェアは国内最大級の展示面積を活かし、アジアの人流と文化が交差するダイナミックな空間を創出。会場では、100を超えるブースが展開される予定となっている。出展ギャラリーや公募展の詳細はこちら

 なかでも、同フェアのコンセプトである「アジア」「福岡」に関わりのあるアーティストや、国内外で活躍するアーティストを紹介する「Future」ブースでは、2名のアーティストを取り上げる。まず1人目は、タイ・チェンライ在住で国際的に活躍するアーティスト、ブスイ・アジョウ。そして2人目は、福岡市美術館が実施した第3回福岡アートアワードで「市長賞」を受賞した、福岡出身のアーティスト、牛島智子。このふたりのアーティストによる作品はポスタービジュアルとしても展開されており、今年のフェアの顔とも言える存在だ。

「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」ポスタービジュアル

 同フェアのスペシャルブース「Masters」には、20世紀美術を代表する巨匠、パブロ・ピカソアンディ・ウォーホルをはじめとする巨匠らによる名作が一堂に会する。

 例えば、ピカソの《Tête de femme(女性の頭)》は、1950年代以降の円熟期を象徴する作品のひとつで、キュビスムの手法をさらに洗練させた肖像画だ。昨年のアンリ・マティスに続き、同フェア史上最高額となる14億円で出品される予定となっており、国内外のアートマーケットにおいても注目の1枚となるだろう。

パブロ・ピカソ Tête de femme(女性の頭) 1953 45.9×37.7 cm キャンバスに油絵具、リポリン

 ウォーホルの代表作「campbell’s soup II」シリーズからは、《chicken ’n dumplings》(1969)が出品される。アメリカ社会を象徴する日用品である“スープ缶”を題材に、広告や消費文化をそのままアートへと転化したポップ・アートとして知られる本作は、「誰もが知るものを、誰もが知る形で提示する」というウォーホルの芸術観を体現していると言える。

アンディ・ウォーホル campbell’s soup II chicken ’n dumplings 1969 88.9×58.4 cm シルクスクリーン ed.250

 近代美術の革新とも言うべきピカソと、大衆文化と美術の境界を越境したウォーホル。この2作品を通じて、20世紀美術における大きなふたつの潮流を俯瞰する機会となるだろう。ほかにもこのブースでは、黒田清輝ベルナール・ビュフェ横山大観などの作品も展示・販売される予定となっている。

 さらに今年は、AFAFの10回目の開催を記念した特集ページも公式ウェブサイト上で公開されている。アジアと日本をつなぐ現代アートのプラットフォームを目指し、2015年に初開催された同フェアがいかにその規模を拡大し、今日まで続いてきたのか。そのストーリーを、初期メンバーや関係者によるコメントも交えながら紐解くことで、アートフェアを開催することの意義について改めて知ることができる機会となっている。

 なお、会場では、同フェアのパートナーである「SAKE HUNDRED」によるスパークリング日本酒「深星」も登場。VIP限定のヴェルニサージュやレセプションパーティーにて提供されるため、その味わいをぜひ体験してみてはいかがだろうか。

SAKE HUNDRED スパークリング日本酒「深星」
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