常設展も一新
常設展も大幅にリニューアルされた。2階の「愛陶コレクション展『世界はやきものでできている』」では、コレクションの根幹をなす「日本のやきもの」、「中国のやきもの」、そしてヨーロッパやタイ、韓国、プレ・インダス文明を含む「世界のやきもの」など様々なテーマで構成。これまでよりも展示資料数を絞ることで、より見やすい展示構成となった。またキャプションには学芸員による解説のほかキャッチコピーも添えられており、各資料と鑑賞者の距離を縮める工夫も見られる。さらに、年間3回程度の展示替えを行うことで、リピーターを狙う。
愛陶コレクション展「世界はやきものでできている」展示風景より
愛陶コレクション展「世界はやきものでできている」展示風景より
愛陶コレクション展「世界はやきものでできている」展示風景より 特集展示では、愛知県西部に位置し、5世紀から14世紀初頭まで約900年間操業された「猿投窯(さなげよう)」のほか、愛らしい動物をかたどったやきものなどを紹介。また、スマートフォンでQRコードを読み取ることでやきものの3Dスキャンデータを楽しむことができる新たな鑑賞のかたちも提示している。
特集展示より
特集展示より
特集展示より さらに、手持ちのスマートフォンでコレクション展の作品解説を読んだり、音声で聞いたりしながら展覧会を楽しめる音声ガイドアプリ「ポケット学芸員」も導入されており、より気軽に陶磁の世界に没入できるようになったのも嬉しい。
開館から役割半世紀を経てもなお、色褪せない清廉さを称える愛知県陶磁美術館。建築を含め、これを機に訪れてみてほしい。
なお同館は、今年開催される国際芸術祭「あいち2025」(9月13日〜11月30日)のメイン会場のひとつとなる。谷口建築でどのような作品が展開されるのか、期待したい。
地下展示室