EXHIBITIONS

Parallel Circuit

 東京藝術大学大学美術館 陳列館で「Parallel Circuit」が開催される。

 本展は、2024年11月に開催した広告トラックをもちいた周遊展示「Permission to Drive」(以下「PtD」)から発展した。PtDでは「都市空間の規制や境界線と共存すること」をテーマに、リアルタイムの都市空間や社会制度とじかに向き合い、展示の姿をかたちづくっていくことを試みた。本展では、PtDのアーティストに加えて、山縣瑠衣、肥後亮祐、Vikram Divechaを迎える。

 本展は、PtDで得られた発見をきっかけに、新たな参与者や作品とともに思考と経験を拡張していく動的な試みだ。並列回路を指す「Parallel Circuit」とは、都市が個別の視点から創造的に読み替えられて生まれる時空間や無数の図ー地の関係を示唆している。

 本来の都市空間には、歴史や文化、経済、規制、個人の記憶など、多様な要素が織り込まれている。しかし、張り巡らされた社会システムによって、そこは自らの意思で振る舞いを決められる舞台から「機能にもとづいた空間」に変えられてしまった。そのなかで、あえて「機能にもとづく空間で機能にもとづかないことを試す」ことは、オルタナティヴな時空間をつくりだす方法のひとつともいえる。本展で紹介する芸術実践は、たったひとつの現実空間から、いまとは異なる複数的な都市や社会生活を、そして鑑賞者の身体や経験を想像させてくれるだろう。