尹苑、小野栞、白川深紅、三宅珠子「残り火」

　The 5th Floorで、尹苑、小野栞、白川深紅、三宅珠子による展覧会「残り火」が開催されている。

　以下、本展の展覧会ステートメントとなる。

「飽和しすぎた時代のなかで、静かな声のための場所をつくれるだろうか。

　生と死との出会いからインスピレーションを得た4人の作家が、私たちに足を止め、ゆっくりと耳を傾けるように誘う。彼女たちの作品は孤独や抹消に抗い、生と死をひとつの呼吸へと織りあげる。死は生きた命を証し、生はその残響を抱き続ける。

　こうした絡みあいを描くために、作家たちは綿毛や菩提樹の葉、絹糸、陶、金属繊維、段ボールといった、脆くも強靭な素材を手に、生と死の対称的な輪郭をたどる。3つの個室を巡るうちに、作品同士のささやかな呼応が浮かび上がる。三宅珠子による無言の祈りの彫刻は、尹苑のドールハウスの出発を見送り、白川深紅が慈しむ祖父の形見は、小野栞が拭った涙に寄り添う。喪失のただ中で息づく気配が、灰の中の残り火のように静かに揺らめく」（展覧会ウェブサイトより）。