EXHIBITIONS

八木温生「絵には 絵を」何梓羽「写実虚構」

横濱ゲートタワー1階 Start Gallery 2+4
2025.06.27 - 11.03
 横濱ゲートタワー1階 Start Gallery 2+4で、八木温生による個展「絵には 絵を」、何梓羽による個展「写実虚構」が開催されている。

 横浜ゲートタワーのとちのき通り沿いにあるウィンドウギャラリー・スタートギャラリーでは、みなとみらいのExPLOT Studioに制作スタジオを構える八木温生と何梓羽、ふたりのアーティストによる展覧会を開催。都市の日常に溶け込むガラス越しのギャラリーで、日々黙々と動き続ける作品群が並ぶ。

 以下、それぞれ、八木温生「絵には 絵を」、何梓羽「写実虚構」の展覧会ステートメントとなる。

「環境に反応するシルエットとしての装置類を置くこと。イメージと、それがそこに設置されて生成されて行く果てを、時間とともに観測するために。形として現れてくる以前に、見えないその過程を、イメージの通廊を、もし描くのだとしたら、絵のための絵を」(八木温生「絵には 絵を」展覧会チラシより)。

「本展は、カフカ『流刑地にて』とフィリップ・K ・ディック『高い城の男』に着想を得た、2つのインスタレーションによって構成されている。虚構的なシステムが現実認識に浸透する様を描いた両作をもとに、文学と美術という二重の虚構装置を通して、『見る構造』と『見る行為そのものが構造に取り込まれる過程』を浮かび上がらせる。装置1は、釣具リールによる張力で末端のギアを動かし、遅延と不均衡をともなう回転と振動を生む。柔軟な結束バンドが棘のように見えても実際には柔らかく、『威嚇の幻影』を演出する。装置2は、廃棄された家具や工業部品による架空の塔であり、『虚構のなかの虚構』として現実の輪郭を揺さぶる。ショーケースのような透明で制限された空間のなかで、構造は展示され、同時に鑑賞者もその一部として巻き込まれる。それらは秩序・認識・権力のモデルとして立ち上がり、観賞者はその境界で、自らが『内側』にいるのか『外側』にいるのかを問い続ける」(何梓羽「写実虚構」展覧会チラシより)。