NAZE「TORI MODOSHITAI」

　月極で、NAZEによる個展「TORI MODOSHITAI（トリ モドシタイ）」が開催されている。

　アーティスト・NAZEのルーツにあるのは、グラフィティカルチャーであり、ローブローアートなどからインスパイアを受け、独自のアートを生み出している。その手法は、ドローイング、スプレー、コラージュ、廃材による立体オブジェやテキスタイルなど多岐にわたるが、一貫して自身の感情と奥底にある記憶を作品に昇華させたものとなっている。

　前回の個展「Scenes of Disparity（隔たりの風景）」では、わかりやすくNAZEという存在そのものを伝えるために多くの作品が展示された。今回の展示では、作品一つひとつをより深く鑑賞することを目的として制作が進められた。そのため前回よりも整頓された空間がギャラリーに創出された。

　作品のテーマは「自らとその周辺に関して」。NAZE自身の身の回りにあるものや出来事、自身が抱える葛藤や過去への執着と憧憬、同時に未来への道筋を発見するために描かれた作品が展示されている。作品のスタイルは1点ごとに異なるが、それらがひとつの空間に在ることで作用するように構築されており、作品ごとに感情を落とし込んだという。