EXHIBITIONS

シーラ・ヒックス——ハタノとビル、結ばれた運命

思文閣銀座
2025.11.01 - 11.15
 思文閣銀座で「シーラ・ヒックス——ハタノとビル、結ばれた運命」が開催される。

 シーラ・ヒックスは、1934年アメリカ・ネブラスカ州生まれ。イェール大学にてジョセフ・アルバースに学び、モダニズムの影響を受けつつ、先コロンブス期の織物文化に根差した芸術表現を展開してきた。素材にはウールやリネン、コットンといった日常的な繊維をもちい、織り、結び、絡ませるといった技法を通して、独自の造形世界を構築している。

 本展のタイトル「ハタノとビル、結ばれた運命」は、ヒックスの兄ビルと、日本人学生ハタノの交流に由来する。第二次世界大戦後の緊張が残る時代において、文化的・歴史的背景の異なる両者のあいだに育まれた友情は、共感と理解を象徴する関係として、本展に通底するテーマとなっている。

 展示では、小作品《Minimes》から、大型の糸によるパネル作品、柔らかな球体によるインスタレーション《Boules》まで、多彩な作品を紹介。会場である思文閣銀座の空間に呼応した構成のもと、ヒックスの造形における探究の軌跡を通して、繊維というメディウムに新たな価値を見出す試みを提示する。

 また、本展に寄せて造形作家・批評家の岡﨑乾二郎がエッセイを寄稿。ヒックスの制作活動への深い洞察が窺える文章とともに、ヒックスの作品を展覧する。