獸（第3章 / EDGE）

　北の丸公園第一駐車場で、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEによるアートプロジェクト「獸（第3章 / EDGE）」が開催される。

　「獸（JYU）」とは、アーティスト・GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAEが主宰する現代美術の展覧会とライブを組み合わせた7年にわたるプロジェクト。黒い獸（東京の青年をモチーフとし、獸の姿だが人間のことを描いている）を主人公とした物語で、1年に1章ごとで展開されてきた。

　今回で4回目となる「獸（第3章 / EDGE）」では、多摩川の河川敷を舞台に青年が獣になるシーンをインスタレーションで立ち上げる。

　「僕の住んでいた街には川が流れていた。多摩川。子供の頃の多摩川はカオスだった。ホームレスが家を建てて犬を買っていた、エロ本や週刊少年誌が落ちていた、秘密基地があった、変なおじさんも不良もいた、ススキがワサワサと生きていた。あそこは自分が何をしていてもいい落ち着くところだった。あの多摩川をまた見てみたいと思った。

　多摩川には死もあった。通り魔事件が起きた、少年が少年を殺した、五本松で誰かが首を吊った。水のあるところは死の世界との境界でナイフみたいに尖った草と大きな川の真ん中に鋭角な中洲、見下ろすようにそびえたつ集合住宅が向こう岸に３つ並んでいる。

　青年は獣になる。獣になるとはどういうことなんだろう。この河川敷でゆっくりしてほしい、思い出してほしい、遊んでほしい、獣になってほしい」（GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE『獸』、展覧会ウェブサイトより）。