終戦80年に問い直す「平和」。√K Contemporaryで企画展「Being - PEACE is a Verb -」が開催へ
東京・新宿の√K Contemporaryで企画展「Being - PEACE is a Verb -」が8月15日から開催される。「戦争と無意識の間」をテーマに、戦争を経験した物故作家と、戦争を知らない現代の若手作家による作品を紹介するものとなる。

東京・新宿の√K Contemporaryで、企画展シリーズ「Being」の第2弾となる「Being - PEACE is a Verb -」が開催される。会期は8月15日〜9月13日。
日本の敗戦から80年を迎える今年、戦争の記憶は時間の経過とともに風化しつつある。本展では「戦争と無意識の間」をテーマに、戦争を経験した物故作家と、戦争を知らない現代の若手作家による作品を紹介する。
戦争体験を持たない世代にとって、戦争は過去の歴史的出来事として認識されがちだが、日常生活や芸術表現の中にもその影響はかたちを変えて存在している。本展は、戦争を直接的なテーマとして扱ったことのない若手作家に焦点を当て、その視点を通じて、戦争を現在と地続きの問題としてとらえる契機とすることを目指す。タイトルの「PEACE is a Verb」には、平和を誰かに委ねるのではなく、一人ひとりが主体的に築いていくべきものだという思いが込められている。
出展する物故作家は、日本画家の小早川秋聲とコラージュ作家の若松光一郎。小早川は従軍画家として戦争画を制作し、戦後は宗教画に転じた。若松は広島で被爆し、戦争の惨禍を胸に秘めながら創作活動を続けた。
現存作家は、内山翔二郎、叶野千晶、坂田桃歌、藤堂、戸谷太佑、中西凜、堀江栞、藤本純輝、弓指寛治、李晶玉の10名が出展。昆虫の形態と社会性を通じて現代社会を映す内山、記憶や土地をテーマに写真作品を制作する叶野、地域の語りや暮らしを絵画に重ねる坂田、石やがれきを素材に歴史の層を表現する藤堂など、多様なアプローチで「平和」を問い直す作品が並ぶ。
また、会期初日の8月15日17時からは、中西凜による来場者参加型パフォーマンス「Sculpture Should be Eaten」も実施。洋菓子を素材とした彫刻作品を来場者が食べることで、味覚や香りを通して作品体験を拡張する。作品がなくなり次第終了となるため、早めの参加が呼びかけられている。なお、会期中にはトークイベントも予定されている。