2026.2.4

「シルクロードの商人(あきんど)語り」が国立民族学博物館で開催。サマルカンドの遺跡とユーラシア交流の真髄に迫る

大阪・吹田市の国立民族学博物館で、特別展「シルクロードの商人(あきんど)語り―サマルカンドの遺跡とユーラシア交流—」が開催される。

ラクダ用飾り布 国立民族学博物館所蔵
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 大阪・吹田市の国立民族学博物館で、特別展「シルクロードの商人(あきんど)語り―サマルカンドの遺跡とユーラシア交流—」が開催される。会期は3月19日〜6月2日。

 本展はシルクロード交易の主役である「商人(あきんど)」をキーワードに、古代の考古遺物から現代の民族衣装まで約520点の資料を通じて、中央アジアの文化多様性を解き明かす試みだ 。

鞍袋 国立民族学博物館所蔵
ウマ用鞍一式 国立民族学博物館所蔵

 シルクロードを通じた人やモノの移動、文化の交流において、「商人」が果たした役割は極めて大きい 。本展では、古代から現代に至るまで、彼らの活動なしには語ることができない地域の歴史と文化を、「商人」という視点から再構成している 。

花嫁用衣装 国立民族学博物館所蔵
花婿用衣装 国立民族学博物館所蔵

 展示は2部構成となっている。第1部では「古代シルクロード交易と商人」と題し、6〜8世紀に活躍したソグド商人に関連する資料を展示。第2部「近現代におけるくらしと商い」では、バザールでの交易や現代の楽器、信仰にまつわる資料まで、広くユーラシアの交流の様子を俯瞰する。

ドンブラ(弦楽器) 国立民族学博物館所蔵
かぎたばこ入れ 国立民族学博物館所蔵
飾り皿 国立民族学博物館所蔵

 本展の最大のハイライトは、日本人研究者が発掘調査に関わった、6〜8世紀のソグド文化や宗教観をいまに伝える極めて重要な遺物である、ウズベキスタンのカフィル・カラ遺跡から出土した女神ナナの「木彫板」だ。かつてルーヴル美術館や大英博物館でも展示されたこの至宝の展示は、昨年11月に成立した、1000万円を超えるクラウドファンディングの輸送費の支援を受けて実現した。

 ほかにも、ソグド商人に関係する俑よう、伎楽面、楽器、絹織物などの資料を、日本国内の貴重な借用資料とあわせて紹介、展示。 また、人とモノの移動や運搬に使われた資料(鞍や荷袋、二輪馬車など)や、バザールで売り買いされる資料(陶器、刺繍布、毛織物など)、現代の楽器や信仰に関する資料まで、広くユーラシアにおける交流の様子を示す同館収蔵の資料が展示される。

 現代に息づくシルクロードの遺産を多角的に問い直し、アジアの歴史を総合的にとらえ直す貴重な機会となるだろう。

壁掛け 国立民族学博物館所蔵
敷物 国立民族学博物館所蔵
ティーセット 国立民族学博物館所蔵