2026.3.27

「マリー・アントワネット・スタイル」が横浜美術館で8月より開催。国内唯一の開催となる世界巡回展

神奈川・横浜にある横浜美術館で、「マリー・アントワネット・スタイル」が開催される。会期は8月1日~11月23日。

ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London
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 神奈川・横浜の横浜美術館で、マリー・アントワネット(1755〜93)の革新性と人物像にせまる展覧会「マリー・アントワネット・スタイル」が開催される。会期は8月1日~11月23日。

 オーストリア皇女マリー・アントワネットは、1770年に王太子妃としてフランスに嫁いだ。ルイ16世下のフランスにおいて、ファッションや織物産業の発展に多大な影響を与え、衣裳、インテリア、音楽、ライフスタイルに至るまで、シンプルで洗練された独自の趣向を国内外で流行させたことでも知られている。いっぽうで、その斬新なスタイルは贅沢の象徴とみなされ、フランス革命のなかで37歳にして処刑。波瀾万丈な人生を歩んだ。

コートドレスのマリー・アントワネット フランソワ゠ユベール・ドルーエ(画) 1773年 キャンバスに油彩 63.5 × 52.0 cm ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

 本展は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)が企画した世界巡回展であり、国内では横浜美術館が唯一の開催場所となる。18世紀から現代まで人々を魅了し続けるアントワネットの「スタイル」を、ドレス、宝飾、家具、絵画、写真など約200点の作品を通して紐解く内容となる。また、V&Aの展示内容に国内所蔵の優品約20点を加えた、日本オリジナルの再編成が行われるという。V&Aの会場レポートはこちら(作品保護の観点から、出品内容はロンドンと異なる)。

ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London

 展示は3つの章で構成される。第1章では、1770年から93年までのアントワネットのスタイルの源泉を紹介。18世紀当時のフォーマルなドレス「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」や、アントワネットが実際に使用した肘かけ椅子、さらに「首飾り事件」のネックレスの一部とされるダイヤモンドなどのゆかりの品々を展示し、その革新性と人物像にせまる。

ローブ・ア・ラ・フランセーズ(フランス風ドレス) フランス製 1760年代(1770年代に加工) 絹、光沢をつけた麻 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London
通称「サザーランド・ダイヤモンド」 1780年代にネックレスに加工 金、銀、プラチナ、ダイヤモンド 長さ35.8 cm ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

 第2章では、1800年から1940年にかけての追憶と偶像化をたどる。例えば、ナポレオン3世の后ウジェニーによる懐古や、1920年代にジャンヌ・ランバンが打ち出した「ローブ・ド・スティル」、挿絵画家ジョルジュ・バルビエによる表現などを通じ、アントワネットの美意識がいかに偶像として確立されたかを紹介する。

皇后ウジェニー ピエール゠ポール・アモン(画) 1850年代 キャンバスに油彩 132.0 × 100.0 cm 東京富士美術館蔵 ©東京富士美術館 イメージアーカイブ/DNPartcom
イヴニングドレス「ローブ・ド・スティル」 ジャンヌ・ランバン(作) 1922–23頃 絹オーガンザ、絹の花かざり、パニエ ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

 第3章では、現代のクリエイターたちに与えた影響に焦点を当てる。ファッション・ブランドへの影響として、モスキーノの「ケーキドレス」やヴィヴィアン・ウエストウッドのドレスを紹介。また、ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』で実際に使用されたアカデミー賞受賞の衣裳なども展示する。

ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London
映画『マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督、2006)より Photo: Courtesy of I WANT CANDY LLC. and Zoetrope Corp.