ホセ・パルラ「Home Away from Home」展開幕レポート。日本を“もうひとつの故郷”とする表現の軌跡
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、ホセ・パルラが20年以上にわたり築いてきた日本との関係をたどる個展「Home Away from Home」が、銀座と六本木の2会場で開幕した。

都市の記憶や移動の痕跡を、重層的な筆致と独自のカリグラフィーで描き出してきたアーティスト、ホセ・パルラの個展「Home Away from Home」が、ポーラ ミュージアム アネックス(銀座)とKOTARO NUKAGA(六本木)の2会場で同時に開幕した。会期はそれぞれ7月27日と8月9日まで。
1973年にマイアミで生まれたホセ・パルラは、プエルトリコやキューバなど多様な移民文化の影響を受けながら育ち、都市生活と芸術の関係性を主題に、独自のビジュアル・ランゲージを築いてきた。現在はニューヨークを拠点に国際的に活動するパルラにとって、日本は20年以上にわたり何度も訪れてきた特別な場所であり、本展は彼にとって“もうひとつの故郷=Home Away from Home”をテーマに、その創作の軌跡と現在地をたどる貴重な機会となっている。

展覧会は2つの異なる視点から構成されている。ポーラ ミュージアム アネックスでは、パルラと日本との関係に焦点を当て、過去の代表作に加え、備前焼とのコラボレーションや東京を描いたラージスケールの新作など、約20点が展示されている。いっぽうのKOTARO NUKAGAでは、近年の日本滞在や交流から着想を得た新作絵画が発表され、より私的かつ詩的な「日本へのオマージュ」としての現在の表現が示されている。

開幕に際し、会場に姿を見せたパルラは、「日本は私にとってとても特別な場所。初めて訪れた2000年頃から、ここで築いた友情は一生の宝物です」と語り、「この場に集まってくれたコレクターや仲間たちのおかげで、こうして展覧会が実現しました。心から感謝しています」と感極まった様子で挨拶した。