「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京都美術館)開幕レポート。ゴッホを世の中に伝えた立役者たちに迫る
東京都美術館で、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が開幕した。会期は12月21日まで。

東京都美術館で、「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が開幕した。担当学芸員は大橋菜都子(東京都美術館 学芸員)。会期は12月21日まで。
誰もが知る画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜90)。今まで数々の展覧会が開催されてきたが、フィンセントを世に広めたファン・ゴッホ家と、その家族が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てた展覧会が開催される。なお本展は、大阪市立美術館(7月5日〜8月31日)からの巡回であり、本会場の後に愛知県美術館(2026年1月3日〜3月23日)でも開催される予定だ。
フィンセントの生前、彼の画業を支えていたのは弟テオドルス・ファン・ ゴッホ(以下:テオ)であることは有名だ。しかし兄の死の半年後にテオも生涯を閉じたことから、その後どのようにフィンセントが有名になったのかを知る人は少ない。
じつは2人の死後、フィンセントの作品を世に出すことに奔走したのは、テオの妻ヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル(以下:ヨー)である。ヨーは、膨大なコレクションを管理することになり、フィンセントが画家として正しく評価されるよう人生を捧げて活動し続けた。さらにテオとヨーの息子フィンセント・ウィレムは、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に尽力したことも忘れてはいけない。
本展では、ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となるファン・ゴッホの貴重な手紙4通が展示される。家族のサポートにも光を当てながら、フィンセントの初期から晩年までの画業をたどる構成となっている。