EXHIBITIONS
藤原彩人「像景化 ― Figurative Landscape ―」
gallery21yo-jで、藤原彩人による個展「像景化 ― Figurative Landscape ―」が開催される。
以下、藤原による本展の展覧会ステートメントとなる。
「『目の前に景色を起こし、自立する像と化す』。アトリエのある益子では、5月中旬になると田植えの季節を迎えます。水が張られた田んぼは、水鏡のように苗越しに空を映し出し、雨や風、飛び立つ鳥の動きまでも写しとります。やがて水は大地に吸収され、田は緑一面に。そして秋には稲穂が実り、黄金色の風景へと変わっていきます。
私はこうした景色をアトリエの窓から毎年眺めています。日々移ろいながらも繰り返されるその風景は、時間と空間が交差する『循環する景色』として、私自身と似た構造を持つ『像』のように立ち現れてきます。
この景色の要素から生まれたイメージを『像』とし、私と同じ地面に立つものとして空間に自立させる構造体として表現してみたいと考えました。
これまで私は、中空の人体像に焼成を伴う陶芸技法を用い、自立のための構造を加えた作品を制作してきました。それは、人体の形象と自然の風景が重なりあうような存在です。
今回の個展『像景化 ―Figurative Landscape―』では、これまで人物像の周囲に施していた板や管、球体、柔らかな形状などの構造物のみを用いて、まず像を水平方向に積み重ねるように構成しました。さらに、成形時とは異なる方向に乾燥・焼成することを想定し、90度回転させて重力の方向を変える構造を思案しながら造形しています。まるで寝ていたものが起き上がるように、あるいはこの世界に立ち上がるように、像を『立たせる』ことを意識しました。
こうして生まれた新作は、複数の時間や空間、エネルギーが調和し、ひとつの風景としての像/彫刻、そして私たちの存在にも通じる形として立ち現れるのではないかと考えています」(展覧会ウェブサイトより)。
以下、藤原による本展の展覧会ステートメントとなる。
「『目の前に景色を起こし、自立する像と化す』。アトリエのある益子では、5月中旬になると田植えの季節を迎えます。水が張られた田んぼは、水鏡のように苗越しに空を映し出し、雨や風、飛び立つ鳥の動きまでも写しとります。やがて水は大地に吸収され、田は緑一面に。そして秋には稲穂が実り、黄金色の風景へと変わっていきます。
私はこうした景色をアトリエの窓から毎年眺めています。日々移ろいながらも繰り返されるその風景は、時間と空間が交差する『循環する景色』として、私自身と似た構造を持つ『像』のように立ち現れてきます。
この景色の要素から生まれたイメージを『像』とし、私と同じ地面に立つものとして空間に自立させる構造体として表現してみたいと考えました。
これまで私は、中空の人体像に焼成を伴う陶芸技法を用い、自立のための構造を加えた作品を制作してきました。それは、人体の形象と自然の風景が重なりあうような存在です。
今回の個展『像景化 ―Figurative Landscape―』では、これまで人物像の周囲に施していた板や管、球体、柔らかな形状などの構造物のみを用いて、まず像を水平方向に積み重ねるように構成しました。さらに、成形時とは異なる方向に乾燥・焼成することを想定し、90度回転させて重力の方向を変える構造を思案しながら造形しています。まるで寝ていたものが起き上がるように、あるいはこの世界に立ち上がるように、像を『立たせる』ことを意識しました。
こうして生まれた新作は、複数の時間や空間、エネルギーが調和し、ひとつの風景としての像/彫刻、そして私たちの存在にも通じる形として立ち現れるのではないかと考えています」(展覧会ウェブサイトより)。