2025.10.14

興祖微妙大師650年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」が大阪市立美術館で開催へ。伝える妙心寺の禅の神髄

大阪市立美術館で、興祖微妙大師650年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」が開催される。

 大阪市立美術館で、興祖微妙大師650年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」が開催される。会期は2026年2月7日~4月5日。

 妙心寺は京都の西郊、風光明媚な花園の地に広大な敷地を誇る臨済宗妙心寺派の大本山。大きな山門や仏殿、法堂を中心にして約40もの塔頭寺院が並ぶ境内の光景で知られる。かつてこの地は、花園法皇(1297〜1348)の離宮御所があり、それを康永元年(1342)に関山慧玄(かんざんえげん、1277〜1360)無相大師を開山として禅寺に改めたのが妙心寺だ。

 応永6年(1399)には足利義満の不興を買い、寺領を没収されるなどの不遇の時期もあったが、永享4年(1432)には再興し、さらには戦国武将たちの寄進を受けて多くの塔頭が造営された。そのため、この時期に描かれた狩野派や長谷川派、海北派などの桃山絵画の宝庫としても知られる。

 本展は、妙心寺開山である関山の唯一の弟子であり、妙心寺の第二世として初期の妙心寺を整備し、基礎をつくった高僧・授翁宗弼(じゅおうそうひつ、1296〜1380)の六百五十年遠諱を記念して企画されたもの。妙心寺の歴史や、禅宗美術、桃山絵画などの日本美術の白眉ともいうべき妙心寺の至宝を通じて、関山から授翁を経て、現代の我々へ引き継がれた妙心寺の禅の系譜を紹介する。

 また、地元大阪の妙心寺派寺院で行われている最近の寺宝調査の成果もあわせて紹介予定。絶え間なく継承されてきた妙心寺の禅の神髄を味わいたい。