サリーナ・サッタポン「When you find you in the middle of emptiness」

　√K Contemporaryで、サリーナ・サッタポンによる個展「When you find you in the middle of emptiness」が開催される。

　サリーナ・サッタポンは、タイの少数民族に生まれ、バンコクのシラパコーン大学で修士号を取得後、今春に東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻で博士号を取得した。在学中から注目を集め、国内外で賞を受賞し、近年ではCAF賞2022最優秀賞、2024年にはTokyo Midtown Award 2024準グランプリ、野村賞などを受賞している。

　サリーナの作品群は、現代社会や人々の在り方への示唆に富み、個と他者の関係、社会とのつながり、隔絶、格差など気づいていながらあえて見えないようにしてきた事象を可視化し、意識下に提議する。その制作の背景には、格差社会に抗おうとする思いや、人々に平等にもたらされる幸福を願う気持ちが込められている。そして表現者として、それらをどのように社会に提議するのかという葛藤と戦い続け、パフォーマンスやインスタレーション、絵画など多彩な手法で表現してきた。

　本展で発表する新たなシリーズ「When you find you」はこれまでの作風とは異なり、観者を包み込むような、自身の信念や挑戦を表現してきたサリーナの新たな一面を見ることができる。サリーナは、本展で「小休止」することの大切さを感じてほしいと語っており、観者に「休息」と「内省」の必要性を提示する。

　今回の展示では、旧作から新作まで、絵画、写真、映像、インスタレーションといった多彩な作品群を展示。また、会期中の7月26日にはサウンドセラピストを迎えたメディテーションイベントが開催予定だ。