EXHIBITIONS

コレクション展

没後10年 江見絹子

—1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心に—

2025.11.15 - 2026.02.23

江見絹子 作品5 1962 神奈川県立近代美術館蔵 第31回ヴェネチア・ビエンナーレ出品作品

 神奈川県立近代美術館 葉山で、コレクション展「没後10年 江見絹子 —1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心に—」が開催される。

 江見絹子は、日本人女性として初めてヴェネチア・ビエンナーレ(1962)に出品した画家だ。50年代後半、日本でアンフォルメルが旋風を巻き起こすなかで、江見は半抽象から幾何学的抽象へと移行し、さらに60年代にはその形態を解消して「熱い抽象」へと展開した。高度経済成長期の空気を映すように、多様な変遷を遂げた作風が特徴である。

 本展では、江見がヴェネチア・ビエンナーレに出品した全作品を公開。これらは画家のアトリエにまとまって残され、2003年度に美術館に寄贈されたもので、クリーニングを経て当初の色彩に近い姿で展示する。また、《空の輪臺》、《FUDARAKU》、《幻想と秩序》など、代表作を15年ぶりに展覧。江見の没後10年を機に、その活動の軌跡と創作の到達点を振り返る機会となるだろう。