新宿・歌舞伎町で「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」が今年も開催へ。テーマは「都市の再野生化」
新宿・歌舞伎町を舞台に、回遊型アートイベント「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」が開催される。会期は11月1日〜3日。

東京・新宿の歌舞伎町を舞台とする回遊型アートイベント「BENTEN」。2024年に初開催されたこのイベントが、今年「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」として再び開催される。同芸術祭のキュレーションを務めるのは、Chim↑Pom from Smappa!Group(卯城竜太、エリイ、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求)、山本裕子、涌井智仁、池田佳穂。
昨年開催された「BENTEN 2024」では、歌舞伎町の街全体にて、国内外のアーティストたちが多様な表現を繰り広げる試みが行われた。戦後の復興期から前衛芸術家たちが活動の拠点とし、現在も日本最大の歓楽街として独自の文化を育んできた同地。その歴史とエネルギーを背景に、三夜にわたりジャンルを超えた表現が街に溶け込み、新たなアートの生態系を可視化するきっかけにもなった。


第2回となる今年のテーマは「都市の再野生化」。都市化が進み、あらゆるものが管理され、制度化されていくなかで、本来の創造の衝動や自由な表現がどのように生き残り、進化しうるのか。同イベントは、歌舞伎町という混沌とした都市のなかで、アートが再び「野生」を取り戻し、新たな可能性を開く場を創出するものとなる。
「100年に一度」と称される大規模な東京の再開発は、劇的な改造を通じて街の秩序を強化する一方で、生物多様性や「都市の野生」を排除してきた。しかし、「夜の街」歌舞伎町は異質である。再開発と並行して、トー横や立ちんぼ、ネズミの爆発的増加、悪質ホストの問題など、さまざまな「不都合」が目立つようになった。
歌舞伎町は、東京で唯一、再開発を契機に「再野生化」している街だと言えるだろう。
さまざまな不幸が報道される事態である一方で、ここは戦後の闇市からアングラ文化、暴力の排除といった治安維持のいたちごっこに至るまで、常に制度の隙間を再生産してきた街でもある。資本を受け入れつつ狂乱化する、その底が抜けたような破壊衝動と開放性は、均一化する東京において稀有なアイデンティティを示し、皮肉にも最も賑わう街となっている。
「野生」の歴史と現在性を、奇しくも再開発と足並みを揃えて誕生した多くのBENTENの会場から検証してみたい。
*本テーマは、都市社会学者・仙波希望氏との会話を引用したものである。
(プレスリリースより抜粋)
会場は、昨年に引き続き、王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠といったスペースを横断的に活用。アーティストたちが街の空間と対話しながら創作を行うとともに、鑑賞者も能動的に街を歩き、アートと交わる体験を通じて、都市と芸術の関係を問い直すきっかけを生み出すという。
第一弾として発表された参加アーティスト・プログラムは、やなぎみわ(展示/パフォーマンス)、劇団唐組(展示/パフォーマンス)、DOMMUNE(展示/パフォーマンス/トーク)、芸術公民館(飲食)など。



