EXHIBITIONS
藤原更「記憶の花」
ふげん社で、藤原更による個展「記憶の花」が開催されている。
藤原更は愛知県津島市生まれ。コマーシャルフォトグラフの分野で活動していた藤原は、1997年に清里フォトアートミュージアムへ作品が収蔵されたことをきっかけに、アートの世界に足を踏み入れる。それ以降、写真表現の可能性を拡張するような様々な技法やメディアを駆使した作品を制作し、国内外で作品発表を重ねている。2025年2月から4月まで松坂屋名古屋で「Timeless Colors」が開催中だ。パリ・ブリュッセル・マドリッド、ニューヨークなど国内外で作品発表。作品集に『Melting Petals』(私家版、2022)、『記憶の花』(スタンダードワークス、2025)がある。
本展は、2024年4月にヤマザキマザック美術館で開催された同名の展覧会をアーカイブした作品集『記憶の花』(スタンダードワークス刊)の刊行を記念した展覧会だ。
今回、刊行される作品集は、蓮、薔薇、芥子をモチーフに、2006年から2024年に制作された5つのシリーズで構成。故郷の蓮田の水路を写した初期作品「Flow」、東日本大震災後に枯れた蓮の茎を撮影した「Neuma」、鮮やかに咲き誇る薔薇の花弁を撮影した「La vie en rose」。そして代表作の「Melting Petals」は、藤原が南西フランスで目撃した一面に広がる芥子畑の写真を、異なるライティングで再撮影したプリントに、ぼかしや剥離などの手作業を加えて制作されている。
本展では、作品集のなかで制作年がもっとも新しく、作品集の最後を飾る「Uncovered Present」を中心に展示。コロナ禍を経て、「Melting Petals」で表した記憶のイメージには収まりきらない、心の葛藤や生の衝動を表した立体作品となっている。イメージが紙に定着する直前にインクを剥がし、露出した内面と剥き出しの現在がそのまま表出する。
会場では、写真で一瞬をとらえた過去の自分と、現在の自分を投影した、時の流れのなかで揺れ動く作家自身のポートレイトとも言える作品群が並ぶ。ヤマザキマザック美術館での展覧会場が蘇るような大胆で優雅な町口覚による造本もあわせて紹介される。
なお、会期中の4月12日には、関次和子(東京都現代美術館・事業企画課長)を招き、ギャラリートークも開催予定だ。
藤原更は愛知県津島市生まれ。コマーシャルフォトグラフの分野で活動していた藤原は、1997年に清里フォトアートミュージアムへ作品が収蔵されたことをきっかけに、アートの世界に足を踏み入れる。それ以降、写真表現の可能性を拡張するような様々な技法やメディアを駆使した作品を制作し、国内外で作品発表を重ねている。2025年2月から4月まで松坂屋名古屋で「Timeless Colors」が開催中だ。パリ・ブリュッセル・マドリッド、ニューヨークなど国内外で作品発表。作品集に『Melting Petals』(私家版、2022)、『記憶の花』(スタンダードワークス、2025)がある。
本展は、2024年4月にヤマザキマザック美術館で開催された同名の展覧会をアーカイブした作品集『記憶の花』(スタンダードワークス刊)の刊行を記念した展覧会だ。
今回、刊行される作品集は、蓮、薔薇、芥子をモチーフに、2006年から2024年に制作された5つのシリーズで構成。故郷の蓮田の水路を写した初期作品「Flow」、東日本大震災後に枯れた蓮の茎を撮影した「Neuma」、鮮やかに咲き誇る薔薇の花弁を撮影した「La vie en rose」。そして代表作の「Melting Petals」は、藤原が南西フランスで目撃した一面に広がる芥子畑の写真を、異なるライティングで再撮影したプリントに、ぼかしや剥離などの手作業を加えて制作されている。
本展では、作品集のなかで制作年がもっとも新しく、作品集の最後を飾る「Uncovered Present」を中心に展示。コロナ禍を経て、「Melting Petals」で表した記憶のイメージには収まりきらない、心の葛藤や生の衝動を表した立体作品となっている。イメージが紙に定着する直前にインクを剥がし、露出した内面と剥き出しの現在がそのまま表出する。
会場では、写真で一瞬をとらえた過去の自分と、現在の自分を投影した、時の流れのなかで揺れ動く作家自身のポートレイトとも言える作品群が並ぶ。ヤマザキマザック美術館での展覧会場が蘇るような大胆で優雅な町口覚による造本もあわせて紹介される。
なお、会期中の4月12日には、関次和子(東京都現代美術館・事業企画課長)を招き、ギャラリートークも開催予定だ。