「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」(静嘉堂@丸の内)開幕レポート。「国宝」をキーワードにコレクションを考える
東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、大阪・関西万博を記念した展覧会「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」が開幕した。会期は12月21日まで。会場の様子をレポートする。

東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、大阪・関西万博を記念した展覧会「修理後大公開!静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」が開幕した。会期は12月21日まで。
本展は、同館が所蔵する東洋絵画の逸品が勢ぞろするとともに、大阪・関西万博にちなみ20世紀初頭の博覧会に出品された岩﨑家(静嘉堂)所蔵の琳派や肉筆浮世絵、近代絵画などのほか、国宝から重要文化財、重要美術品を紹介。さらに「未来の国宝」と題して菊池容斎らの巨大絵画なども展示されるものだ。

会場は全4章構成。第1章「岩﨑家(静嘉堂)と博覧会」では、岩﨑彌之助・小彌太が「第四回内国勧業博覧会」(1895)、「日英博覧会」(1910)、「波斯敦(ボストン)日本古美術展覧会」(1936)、「伯林(ベルリン)日本古美術展覧会」(1939)に出品された文物の数々を紹介。

京都で開催された「第四回内国勧業博覧会」は、岩﨑家所蔵の野口幽谷の代表作《菊鶏図屛風》(1865、明治28)をはじめ、東西の日本画家による屛風絵が共演したという。

ほかにも本章では「日英博覧会」に出展された山本森之助《濁らぬ水》(1909)や、「波斯敦日本古美術展覧会」(1936)に出展された酒井抱一《麦穂菜花図》(19世紀前半、江戸時代)、「伯林日本古美術展覧会」に出展の伝 尾形光琳《布引滝及び鶏図》(18世紀初期、江戸時代)などが紹介され、岩﨑のコレクションの充実した内容を改めて感じられる。

