2025.10.3

今週末に見たい展覧会ベスト21。「la Galerie du 19M」からアンディ・ウォーホル、KYOTO EXPERIMENTまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「CHANEL Presents la Galerie du 19M Tokyo」展の展示風景より、ATTA《フェスティバル・インスタレーション:手仕事の美を称える》 写真=中島良平
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もうすぐ閉幕

「チェン・フェイ展 父と子」(ワタリウム美術館

展示風景より

 ワタリウム美術館で「チェン・フェイ展 父と子」が10月5日まで開催されている。レポート記事はこちら

 チェン・フェイ(陳飛)は1983年中国山西省生まれ。現在、北京を拠点に活動している。本展では、2022年から25年にかけ、チェン・フェイが描いた新作絵画15点に加え、高さ7メートルの壁画、インスタレーション、ドキュメントなどが、ユニークでサイトスペシフィックにキュレートされた空間のなかで展示されている。

 本展の出発点は、ナチス時代に深く影響を受けたドイツの著名な漫画家E.O.プラウエン(1903〜1944)が制作した名作『Vater und Sohn(父と子)』を参照している。チェンの作品は、夫と妻、父と子の家族関係や、同僚や友人の社会的な力関係を掘り下げ、画家自身の芸術家としての職業的イメージについての思索も含んでいる。

会期:2025年7月3日〜10月5日
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
電話番号:03-3402-3001
開館時間:11:00〜19:00
料金:大人 1500円 / 大人ペア 2600円 /学生(25歳以下)・高校生・70歳以上・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳所持者および介助者(1名まで)1300円 / 小・中学生 500円

「ムーンアートナイト」(下北沢2025下北沢周辺エリア)

会場風景より、Luke Jerram《Museum of the Moon》

 下北沢周辺エリアで「ムーンアートナイト下北沢2025」が10月5日まで開催されている。レポート記事はこちら

 本展は、東京都世田谷区の下北沢エリアを舞台に開催される「月」をテーマとしたアートフェスティバルで、2022年から毎年開催され、今年で第4回を迎える。アートを軸に、音楽、演劇、食など、シモキタならではのカルチャーやコミュニティが一体となり、地域に根ざした新たな価値や賑わいを生み出すことを目的とする参加型フェスティバルである。

 4年連続で登場するのは、「下北線路街 空き地」に展示するルーク・ジェラムによる直径7メートルの《Museum of the Moon》。また、英国のネリー・ベン・ハユン=ステパニアンによる《Schrödinger’s Cats》がBONUS TRACK隣接駐車場にて日本初展示されている。さらに、東北沢駅屋上(改札外)に展示されている日本のアーティスト・森貴之による天体インスタレーション《Uranometria》や、萩原朔太郎をモデルとした没入型演劇《猫町》も見どころだ。

会期:2025年9月19日~10月5日
会場:下北線路街ほか
会場時間:各施設により異なる ※屋外イベントは小雨決行、雨天中止
料金:無料(一部有料:「ムーンアートナイトチケット」1000円 / 「イマーシブシアター『猫町』チケット」3500円 / 「ムーンアートナイト特典付き『猫町』チケット」4500円 / 「限定グッズ付きムーンアートナイトチケット」4000円)

「日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」(水戸芸術館現代美術ギャラリー

展示風景より

 水戸芸術館現代美術ギャラリーで、企画展「日比野克彦 ひとり橋の上に立ってから、だれかと舟で繰り出すまで」が10月5日に終了する。レポート記事はこちら

 本展では、幼い頃に遊んだ積み木の「色」、橋の上で実感した「ひとり」、自分らしい表現が開花した小中学生時代など、具体的な幼少期のエピソードを通じて日比野の創作の原点を知ることができるとともに、「手つき」や「振る舞い」という切り口から多様な活動を深堀り、通底する日比野の特性を浮かび上がらせる展示構成となる。また、必ずしもかたちや物として残らない2000年代以降の活動も含め、日比野の拡張してやまない芸術実践に通底するものを探る。

会期:2025年7月19日~10月5日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで 
料金:一般 900 円 / 高校生以下・70歳以上・障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名 無料

「非常の常」(国立国際美術館

シプリアン・ガイヤール Artefacts 2011 フィルム(HDから35ミリフィルムに変換)、サウンド、ループ 国立国際美術館蔵
©Cyprien Gaillard Courtesy the artist and Sprüth Magers

 国立国際美術館で、特別展「非常の常」が10月5日まで行われている。

 攻撃やクーデター、地震、洪水、山火事などの自然災害によって、多くの人が住む場所を失い、強制的な移住を余儀なくされている。未知のウイルスが人々の生命を脅かした経験は記憶に新しく、それによる政治的混乱、人間関係の分断、日常の喪失は、いまなお日々の暮らしに影響を与えている。

 生成AIなど人工知能を含むテクノロジーが飛躍的に発達し、人々が目にするイメージや情報の真正性の判断は、時にきわめて困難になった。さらに、情報の流通が複雑なアルゴリズムに支配され、サイバー空間での攻撃が本格化している。そうした「非常の常」の時代のなか、本展では、8名の作家の表現を通じて、時代を見つめ、想像力を膨らませ、明日を生きる希望を探ることが目指されている。

会期:2025年6月28日~10月5日
会場:国立国際美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-2-55
電話番号:06-6447-4680
開館時間:10:00~17:00(金土~20:00)※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1500円 / 大学生 900円 / 高校生以下・18歳未満、心身に障がいのある方とその付添者1名 無料(要証明)

「石田尚志 絵と窓の間」(高松市美術館

展示風景より、《絵と窓の間》(2018)

 香川・高松にある高松市美術館で、特別展「石田尚志 絵と窓の間」が10月5日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は、石田尚志の2015年以来の大規模な個展として、神奈川県立近代美術館、アーツ前橋に続く巡回展となる。実写のコマ撮りアニメの手法などを用いて映像表現を追求してきた石田の、2016年以降の近作・最新作を中心にした展示構成で、レトロスペクティブ上映やパフォーマンスなどを交えた、石田の仕事を概観できるような機会となる。

会期:2025年8月8日〜10月5日
会場:高松市美術館 2階展示室
住所:香川県高松市紺屋町10-4
電話番号:087-823-1711 
開館時間:9:30〜17:00(金土〜19:00)
休館日:月(ただし8月11日、9月15日は開館、8月12日、9月16日は休館)
料金:一般1200円 / 大学生 600円 / 高校生以下無料

今週開幕

総合開館30周年記念 日本の新進作家 vol.22「遠い窓へ」(東京都写真美術館

展示風景より

 東京・恵比寿の東京都写真美術館で、総合開館30周年記念 日本の新進作家 vol.22「遠い窓へ」が開幕した。レポート記事はこちら

 同館では、写真・映像表現に挑戦する新進作家を紹介するシリーズ展「日本の新進作家」展を2002年より継続的に開催している。第22回となる本展では、寺田健人、スクリプカリウ落合安奈、甫木元空、岡ともみ、呉夏枝の5人の作家を紹介するものだ。

 本展は、人と時代、場所や風習といった要素との結びつきから生まれる小さな物語に焦点をあてた写真・映像作品を通じて、現代社会における他者や多様性への想像力とまなざしを提示するもの。展覧会タイトル「遠い窓へ」は、ふと目にした窓から誰かの暮らしを想像する体験になぞらえ、作品そのものが「窓」となって見る者を時間や場所、記憶へと導く装置として機能することを暗示している。

会期:2025年9月30日~2026年1月7日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099 
開館時間:10:00~18:00(1月2日を除く木金〜20:00)※入館は閉館30分前まで 
休館日:月(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日〜1月1日) 
料金:一般 700円 / 学生 560円 / 高校生、65歳以上 350円 / 中学生以下無料

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE「TYPE-XIII Atelier Oï project」(21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3)

© ISSEY MIYAKE INC.

 東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で、「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」とスイスのデザインスタジオ「atelier oï(アトリエ・オイ)」の協業による新プロジェクト「TYPE-XIII Atelier Oï project」が発表された。レポート記事はこちら

 同プロジェクトでは、「一本のワイヤー」と「一枚の布」を融合させた新たなコンセプトの照明器具を開発。会場では、発表時のプロトタイプを中心に再構成した展示が日本初披露されている。

 発表されたのは「O Series」「A Series」といった2つの照明だ。「O Series」は、日本のポータブル照明メーカー「Ambientec」とともに開発されたもの。いっぽう、もうひとつの「A Series」は、A-POCならではの無縫製ニットを活用した照明シリーズだ。三宅一生のDNAを受け継ぐものと言えるこれらの照明は、今後の展開に期待が高まるばかりだ。

会期:2025年10月1日〜11月24日
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00 
休館日:火
料金:無料

「CHANEL Presents la Galerie du 19M Tokyo」(東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー

ATTA《フェスティバル・インスタレーション:手仕事の美を称える》。創業3年後の1953年よりガブリエル・シャネルが協業をスタートしたジュエリー工房「ゴッサンス」の展示 写真=中島良平

 東京シティビュー&森アーツセンターギャラリーで「la Galerie du 19M Tokyo」が開幕した。レポート記事はこちら

 シャネルがパリに設立したクラフツマンシップの複合施設「le19M」は、ファッションおよびインテリアにおける11のメゾンダールと約700人の職人・専門家が集う施設であり、今回の展覧会は日本初の大規模紹介となる。

 本展は、「感嘆」「サプライズ」「対話」が生まれる空間として構成され、鑑賞者を刺激と遊び心にあふれた自由な旅へと誘う3章立ての展示である。le19Mの卓越した技術が紹介されるインスタレーションや、日本とフランスの約30人の職人・アーティストの作品が並ぶ没入型の展示、シャネルをはじめとするメゾンと歩んできた歴史とその作品などを楽しむことができる。

会期:2025年9月30日〜10月20日
会場:東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:03-6406-6652
開館時間:10:00〜18:30(金土祝前日〜19:30) ※入館はそれぞれ閉館の1時間前まで
休館日:無休
料金:無料

「ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS」(エスパス ルイ・ヴィトン東京

アンディ・ウォーホル Self -Portraits 1977-1986 ©The Andy Warhol Foundation for Visual Arts, Inc. /Licensed by Adagp, Paris 2025. Courtesy of Fondation Louis Vuitton Paris. Photo credits: © Primae / Louis Bourjac

 エスパス ルイ・ヴィトン東京で「ANDY WARHOL SERIAL PORTRAITS – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」が10月2日にスタートした。

 アンディ・ウォーホル(1928〜87)は、アメリカの現代美術を代表するアーティストであり、1960年代のポップ・アート運動の中心人物として世界的に知られている。広告やマスメディア、セレブリティ文化をテーマに、シルクスクリーン技法をもちいた作品を数多く制作し、大衆文化と芸術の垣根を越える表現を試みたことで、美術界に大きな影響を与えた。

 本展では、ウォーホルの代表的なポートレイト作品をはじめ、あまり知られていない作品も含めて厳選された作品群を通して、ウォーホルの芸術表現の根幹をなす「反復性」や「肖像」に対する独自のアプローチを浮かび上がらせる。

会期:2025年10月2日〜2026年2月15日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
開館時間:12:00〜20:00 
休館日:ルイ・ヴィトン表参道店に準ずる 
料金:無料

鈴木のぞみ「Slow Glass ― The Mirror, the Window, and the Door」(ポーラ ミュージアム アネックス

鈴木のぞみ Light of Other Days:吉田理容室壁に設えた大きな3枚の鏡 2020
Photo by Shinya Kigure Courtesy of Arts Maebashi ©Nozomi Suzuki

 ポーラ ミュージアム アネックスで、鈴木のぞみの個展「Slow Glass ― The Mirror, the Window, and the Door」が10月3日に開幕する。

 鈴木の作品は、日常のなかでふと目にした光の痕跡を起点とする。その一瞬を、そこに存在したものや過ぎ去った時間の記憶としてとらえ、作品へと昇華させている。代表作《Other Days, Other Eyes》(「窓」のシリーズ)では、かつてその窓から見えていたであろう景色を想像しながら、窓そのものに写真乳剤を塗布し、直接焼き付ける独自の技法をもちいている。

 本展では、「窓」のシリーズをはじめ、「鏡」や「扉」をモチーフとした新作を含む、約15点を紹介する。

会期:2025年10月3日~10月26日
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00~19:00(10月17日は〜18:00)(入場は閉館の30分前まで)
休館日:会期中無休
料金:無料

「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末」(パナソニック汐留美術館

椅子 1820年頃 アセンバウム・コレクション Asenbaum Collection, ©Asenbaum Photo Archive

 パナソニック汐留美術館で「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り」が10月4日から開催される。

 19世紀から20世紀初頭にかけて、ウィーンは独自のモダンスタイルを築いた。オットー・ヴァーグナーが提唱した「実用様式」は、合理性を重視し、その理念を受け継いだ弟子ヨーゼフ・ホフマンらの手により、幾何学的で建築的な造形へと昇華された。その革新的なスタイルの背景には、19世紀前半のビーダーマイヤー様式への回帰がある。職人技への信頼、独自性を持つデザイン、自然モチーフへの親しみなどが、のちの世紀末デザイナーたちにとって模範となり、近代的な住文化の原点と認識された。 

 本展では、19世紀前半のビーダーマイヤー期と世紀転換期というウィーンの生活文化におけるふたつの時代に焦点をあて、銀器、陶磁器、ガラス、ジュエリー、ドレス、家具など多岐にわたる工芸・デザイン作品約270点を紹介。またこうした造形の継承と発展を担った女性パトロンや文化人の活動にも光をあてる。また最終章では、世紀末を越えて継承された「ウィーン・スタイル」の今日的意義についても検証される。

会期:2025年10月4日~12月17日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(11月7日、12月5日、12月12日、12月13日は〜20:00)(入館は各閉館時間の30分前まで)
休館日:水(ただし12月17日は開館)
料金:一般 1500円 / 65歳以上 1400円 / 大学生・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

「『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」(荏原 畠山美術館

杉本博司 和蘭陀手鹿香合 Photo by Masatomo Moriyama

 東京・白金台の閑静な住宅街に佇む荏原 畠山美術館。同館が、新館開館一周年記念展として「『数寄者』の現代―即翁と杉本博司、その伝統と創造」を10月4日から開催する。

 本展は、同館コレクションと現代美術作家・杉本博司の作品およびそのコレクションで構成するもの。展示は畠山一清が1954年秋に催した新築披きの茶会の道具組を軸に同館コレクションで構成する「数寄者」の現代Ⅰ―即翁 畠山一清の茶事風流(本館2階展示室)と、杉本の作品・コレクションを紹介する「数寄者」の現代Ⅱ―杉本博司 茶道具(新館展示室1〜3)で構成。

 日本の文化と美術を換骨奪胎し、そのなかに新しい光を差し入れる、そのような杉本の新作を含めた作品と同館コレクションとのセッションを通して、「数寄の精神と茶の美とは何か」を問う試みとなる。会期中一部展示替えあり。

会期:[前期]2025年10月4日~11月9日、[後期]2025年11月12日~12月14日
会場:荏原 畠山美術館
住所:東京都東京都港区白金台2-20-12
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)、11月11日
料金:一般 1500円(1300円) / 高校生・大学生 1000円(900円) / 中学生以下無料(要保護者同伴) ※()はオンラインチケット料金。完全キャッシュレス。

「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」(静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」が10月4日から開催される。

 本展は、静嘉堂@丸の内の開館3周年を記念して開催されるもので、静嘉堂が所蔵する琳派や肉筆浮世絵、近代絵画をはじめ、国宝、重要文化財、重要美術品などを紹介する。大阪・関西万博にちなみ、20世紀初頭の博覧会に出品された作品から、近年修理を終えた室町時代の屛風や中国宋・元の掛軸まで、幅広い東洋絵画の名品が一堂に会する。

会期:2025年10月4日~12月21日
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1−1 明治生命館1階
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00(10月22日、11月26日は〜20:00、12月19日、20日は〜19:00)(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月、10月14日、11月4日、11月25日(10月13日、11月3日、11月24日は開館)
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下 無料

「日本画聖地巡礼2025 -速水御舟、東山魁夷から山口晃まで-」(山種美術館

速水御舟 名樹散椿(重要文化財) 1929 山種美術館

 山種美術館で、特別展「日本画聖地巡礼2025-速水御舟、東山魁夷から山口晃まで-」が開催される。

 2023年に同館で開催された「日本画聖地巡礼」展では、作品に描かれた風景と、実際の現地写真を並列させるかたちで、画題となった土地や画家ゆかりの地を「聖地」として紹介した。本展はその第2弾にあたる。

 本展では、青森・奥入瀬渓流の秋を描いた奥田元《奥入瀬(秋)》、京都・椿寺地蔵院の五色八重散椿をモチーフにした速水御舟《名樹散椿》(重要文化財)、定宿から眺めた京都の町家の情景を描いた東山魁夷《年暮る》など、実在の場所を題材にした日本画の名作が並ぶ。また、山口晃による《東京 1・0・4輪之段》は、皇居を中心に東京を俯瞰して描いた作品で、山種美術館が所蔵して以来、今回が初の公開となる。

会期:2025年10月4日~11月30日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月、10月14日、11月4日、11月25日(※10月13日、11月3日、11月24日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学生・高校生 1100円 / 中学生以下 無料

「Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地」(シャネル・ネクサス・ホール

エンタングルドアザーズ specious upwellings(部分)

 東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、AIアートとエコロジーが融合する展覧会「Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地」が10月4日から開催される。

 本展は、長谷川祐子が主宰する「Hasegawa Curation Lab.」とのコラボレーションのもと、次世代を担う若手キュレーターを起用する展覧会の第2弾。キュレーションはキュラトリアル・コレクティブ「HB.」の共同代表である三宅敦大が担う。

 本展に参加するのは、リスボンを拠点に活動するアーティスト、ソフィア・クレスポと、クレスポがフェイレカン・カークブライド・マコーミックとともにアーティスト・デュオとして活動するエンタングルド・アザーズ。海中2000メートル以深の世界を探る《liquid strata: argomorphs》(2025)をはじめ、湧昇という地球規模の現象とAIの視覚言語を結びつけた作品など5つのシリーズが紹介される。

会期:2025年10月4日~12月7日
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
電話番号:03-6386-3071
開館時間:11:00~19:00 ※入場は18:30まで
休館日:会期中無休
料金:無料

「東山魁夷 永遠の海 ― 私は、 いま、 波の音を聴いている」(長野県立美術館(本館・東山魁夷館)

東山魁夷 波響く磯 1983 参議院蔵

 長野県立美術館で、東山魁夷館開館35周年記念展「東山魁夷 永遠の海 ― 私は、いま、波の音を聴いている」が10月4日にスタートする。

 東山魁夷(1908〜99)は、横浜に生まれ、神戸で育つ。東京美術学校日本画科に入学し、結城素明に師事し「魁夷」と号した。留学先のドイツでは西洋美術史を学んだ。戦後は《残照》(1947)、《道》(1950)などの名作を発表。叙情的な日本の風景を描き「国民的画家」として親しまれ、皇居宮殿壁画や唐招提寺御影堂障壁画など、障壁画にも傑作を残した。1969年に文化勲章を受章し、文化功労者として顕彰される。

 本展は、東山の作品を多数収蔵する東山魁夷館の開館35周年を記念し開催される。とくに注目すべきは、皇居宮殿壁画《朝明けの潮》の原寸大の色分け大下図(1967)であり、1面あたり縦約4メートル、横約2.5メートルにおよぶ6面構成の大作である。本下図は寄贈以来ほとんど公開の機会がなかったが、2年をかけた整備により展示が実現した。全6面が揃って公開されるのは、1968年の皇居落成後、銀座松屋で行われた展覧会以来57年ぶりとなる。

会期:2025年10月4日~11月16日
会場:長野県立美術館(本館・東山魁夷館)
住所:長野県長野市箱清水1-4-4 善光寺東隣
電話番号:050-5541-8600ハローダイヤル(9月16日〜11月16日)
開館時間:09:00~17:00(10月11日は〜20:00)(展示室入場は閉館30分前まで)
休館日:水
料金:一般 1700円 / 大学生 1300円 / 高校生以下または18歳未満、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付き添いの方1名 無料

「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」(豊田市美術館

山崎つる子 作品 1963年 兵庫県立美術館蔵(山村コレクション)
© Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa,Tokyo

 豊田市美術館で「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が10月4日に始まる。

 本展は、中嶋泉による著書『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』(2019、ブリュッケ)で示された視点を基盤とし、日本の近現代美術史を新たな観点からとらえ直そうとするもの。「アンチ・アクション」という概念にもとづき、草間彌生田中敦子、福島秀子をはじめとする14名の女性作家によるおよそ120点の作品を通して、彼女たちそれぞれの時代における応答と挑戦の軌跡を提示する。

 出品作家は、赤穴桂子、芥川(間所)紗織、榎本和子、江見絹子、草間彌生、白髪富士子、多田美波、田中敦子、田中田鶴子、田部光子、福島秀子、宮脇愛子、毛利眞美、山崎つる子。

会期:2025年10月4日~11月30日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
電話番号:0565-34-6610
開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日:月(ただし10月13日、11月3日、24日は開館)
料金:一般 1500円 / 高校・大学生 1000円 / 中学生以下 無料

「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」(大阪中之島美術館

 大阪中之島美術館で「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」が10月4日から開催される。

 本展は、1925年にフランス・パリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」、いわゆるアール・デコ博の開催から100周年を記念して企画されたもので、「アール・デコと女性」をテーマに、同様式が花開いた時代の女性像とそのデザインの多様性に迫る。

 会場では、フランスを中心とするヨーロッパで制作されたグラフィックデザイン作品をはじめ、ジュエリー、香水瓶、ドレス、自動車など、女性の生活と密接に関わる装飾芸術の数々を紹介。これらの作品は、装飾美術とモダンデザインが融合したアール・デコ様式のもと、女性の社会的地位の変化や新たな美の表象を物語るものであり、100年前の時代精神や文化的背景をいまに伝えている。

会期:2025年10月4日~2026年1月4日
会場:大阪中之島美術館
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
電話番号:06-4301-7285(8:00〜21:00、年中無休)
開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月、10月14日、11月4日、25日、12月30日~1月1日(10月13日、11月3日、24日は開館)
料金:一般 2000円 / 高大生 1600円 / 小中生 600円

「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025」(東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内・屋外会場)

Michael and Sandy Marsh, Amarillo, Texas, September 27, 1974
© Stephen Shore. Courtesy 303 Gallery, New York.

 東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアを会場に「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2025」が10月4日から開催される。

 「T3(ティースリー)」は、日本最大級の都市型アートフェスティバルをもつ写真芸術プラットフォームであり、2025年で7回目の開催となる。本年度のテーマは「庭 / Garden」。ジル・クレマンが唱えた「動いている庭」の思想にならい、都市空間に写真を介して生命の流動性や共存を可視化する試みがなされる。

 都市に点在する複数会場で行われる企画展では、「City as Garden」と題し、スティーブン・ショアやメリッサ・シュリークらが個展形式で出展。また、新進作家の育成プログラム「T3 NEW TALENT」から選出された5名のアーティストによるグループ展なども展開される。

会期:2025年10月4日~10月27日
会場:東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内・屋外会場
住所:東京都中央区八重洲開館
時間・休館日:詳しくは公式サイトを確認してほしい
料金:無料

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2025」(京都市内各所(ロームシアター京都、京都芸術センター、THEATRE E9 KYOTO ほか))

©小池アイ子

 京都市内各所で「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2025」が10月4日から開催される。

 KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭は、2010年にスタートした京都発の国際舞台芸術祭だ。演劇、ダンス、音楽、美術、デザインなどのジャンルを横断し、国内外の「EXPERIMENT(実験)」的な舞台芸術を紹介することを通じて、芸術表現と社会の新しい対話のかたちを模索してきた。

 第16回目を迎える今回は、松尾芭蕉の俳句「松茸や知らぬ木の葉のへばりつく」をキーワードに掲げ、未知や違和感との出会いと共存、そこから生まれる対話の可能性を提示する。

会期:2025年10月4日~10月26日
会場:京都市内各所(ロームシアター京都、京都芸術センター、THEATRE E9 KYOTO ほか)
住所:京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13
料金:フリーパス 34000円 / ユース・学生フリーパス 20000円(詳しくは公式サイトを確認してほしい)

「ひろしま国際建築祭2025」(広島県福山市、尾道市+瀬戸内エリア)

 福山市・尾道市を中心に「ひろしま国際建築祭2025」が10月4日から開催される。

 本建築祭は、丹下健三、安藤忠雄、伊東豊雄、SANAA(妹島和世・西沢立衛)、坂茂といった名だたる現代建築家に加え、次世代を担う若手建築家や作家も多数出展。瀬戸内地域に蓄積された古建築から現代建築に至る建築文化の多層性を背景に、日本から世界へと建築文化を発信する初の試みとなる。

 今回は「つなぐ ― “建築”で感じる、私たちの“新しい未来”」をテーマに掲げ、建築を通して歴史、風土、景観、技術、思想などの多角的な視点から社会の課題に向きあい、未来のあり方を探る機会を提供する。展示は、工業製品のような建築にとどまらず、文化や思想を反映する空間としての建築に光をあて、来場者に建築が持つ創造性と社会的意義を問いかける。

会期:2025年10月4日~11月30日
会場:福山/神勝寺 禅と庭のミュージアム、 ふくやま美術館(ギャラリー) 尾道/尾道市立美術館、まちなか文化交流館「Bank」、 LLOVE HOUSE ONOMICHI、ONOMICHI U2、LOG
住所:広島県福山市、尾道市+瀬戸内エリア
料金:鑑賞パスポート 会場販売 3000円 / ウェブ販売 2500円 / 高校生以下、障がい者の方および介護者1名 無料